10代の若者と双極性障害
診断
双極性障害の診断は、患者ごとに症状が異なるものの、主に3つの要素で構成されます。米国メンタルヘルス団体NAMI(National Alliance on Mental Illness)アーリントン支部のグレゴリー・ロンバルド医師によれば、診断時に確認すべきは「現在の症状」「発達歴」「家族歴」の3点です。これらが総合的に評価され、患者の病態が把握されます。
症状
10代の双極性障害では、うつ状態と躁状態が交互に現れることが典型的です。躁状態では、気分が高揚し、創造性が増したり、エネルギーが過剰になる一方で、対立的・衝動的になることがあります。うつ状態では、不安・イライラ・感情の過敏さが目立ち、睡眠障害(過眠または不眠)が頻繁に見られます。症状の強さは軽度から重度まで幅があり、個々のケースに合わせた評価が必要です。
発達
子どもは成長過程でさまざまな発達課題をクリアしていきますが、双極性障害があるとこれらのスキル習得が遅れたり、停滞したりします。その結果、日常生活や学業で必要な能力が十分に発揮できなくなることがあります。多くの場合、発達スキルの欠如がきっかけで精神科医の診察を受けることが多いです。
課題
ロンバルド医師は、双極性障害を抱える子どもが特に苦手とする発達課題として、自己調整、限界の受容、同年代との関係構築、学校での機能遂行を挙げています。これらの課題が未解決のまま思春期に入ると、学習や社会適応がさらに困難になります。したがって、治療計画にはこれらのスキルを身につけさせる支援が不可欠です。
治療
ガブリエラ・カールソン医師は、子どもが症状を示した際の対応として「子ども自身を変える」「環境を変える」「両方を変える」の3つのアプローチを提示しています。子ども自身を変える手段としては、薬物療法が中心です。加えて、認知行動療法や家族療法といった心理的支援も重要です。薬が効果を示さない、または安定した状態で副作用が少ない場合は、服薬を中止する選択肢もありますが、必ず医師と相談の上で行う必要があります。
