双極性障害は遺伝しますか?
双極性障害とは
双極性障害(旧称:躁うつ病)は、創造性が高まる「躁」状態と、深い絶望感に陥る「うつ」状態が交互に現れる精神疾患です。創造的な才能を発揮できる人もいますが、うつ状態が重くなると日常生活が困難になり、自殺に至るケースも少なくありません。
罹患者数と遺伝リスク
世界全体の患者数は正確には分かっていませんが、米国では約570万人、英国では約400万人の成人が双極性障害と診断されています。
遺伝的要因は強く、以下のようなリスクが報告されています。
- 片方の親が双極性障害の場合、子どもが発症する確率は15〜30%。
- 両親が双極性障害の場合、確率は50〜75%に上昇。
- 兄弟姉妹に双極性障害の人がいる場合、リスクは15〜25%。
発症年齢と経過
症状は10代後半から20代前半にかけて現れることが多く、発症後は生涯にわたって続くことが一般的です。躁と鬱のエピソードの強さや持続期間は個人差が大きく、ある人は比較的軽度に留まりますが、別の人は極端な変動を繰り返します。
発症のきっかけとなる要因
生活上の出来事が症状を誘発することがありますが、明確な原因がなく突如現れることもあります。主なトリガーは以下の通りです。
- 重篤な病気からの回復
- 喪失や悲嘆
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
- 薬物・アルコール依存
- 特定の抗うつ薬の使用
治療薬(抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬)は患者ごとに効果が異なるため、医師と綿密に治療計画を立てる必要があります。
リスクと影響
双極性障害の患者の10〜20%が自殺に至ります。自殺率は一般人口より2〜3%高く、約75%が自殺未遂を経験しています。
躁状態では「不死身」感に駆られ、睡眠を数週間取らずに衝動的な買い物や無謀な行動に走ることがあります。
遺伝子と今後の展望
双極性障害に関与する遺伝子の特定と治療法の開発は期待されていますが、実用化までにはまだ時間がかかります。現在は根本的な治療法はなく、症状管理が中心です。
自身が双極性障害であると分かった場合、子どもを持つかどうかはリスクを十分に考慮した上で判断することが重要です。
