テレビ番組で取り上げられたことのある、ため込み症(ホーディング)は、使い道のない物や健康を害する危険な物まで家中に溜め込んでしまう問題です。米国では約200万人がこの症状に悩んでいると推定されています。単に物を買いすぎる人もいれば、全く捨てられない人もいます。ペットを飼いながらも適切に世話できないケースも報告されています。

否認(Denial)

ため込み症の人は、自分の行動に問題があるとは認めません。たとえ破損したり役に立たないものでも「将来必ず使える」や「参考になる」と正当化し、他人のゴミでも価値があると主張します。コレクターと自称することもありますが、単なる収集とは異なり、生活に支障をきたすほど執着しています。

ため込み症(Hoarding)とは

単なる不注意な片付けの悪さとは違い、物を執拗に集め、捨てることができない、あるいはできないという精神障害です。部屋が散らかりすぎて料理や入浴といった日常的な作業ができなくなる、他者の立ち入りを拒む、建築検査官や児童保護サービス、動物管理局の介入が必要になるほど深刻化した場合に診断されます。

危険性(Danger)

腐敗したゴミや大量のごみ山、動物や人の排泄物が蔓延する環境は健康被害を招きますが、ため込み症の人は「自分のものに囲まれていると安心できる」と感じ、外部からの脅威から身を守る壁を築いたかのように振る舞います。

原因(Causes)

原因は一概に言えませんが、家族に同様の症状があるケースが多いです。逆に、過度に潔癖な親に育てられた子どもが反動的に物をため込むこともあります。幼少期に拒絶や見捨てられた経験がトラウマとなり、思春期に始まることが多いですが、成人後に急に現れることもあります。離婚や家族の死といった重大な出来事がきっかけになることもあります。物は強い記憶や感情と結びついているため、捨てる決断が不安を呼び、結果として全てを手放さない選択に陥ります。

孤立(Isolation)

ため込み症の人は家族や友人、社会から孤立しがちです。部屋が散らかりすぎると罪悪感や恥ずかしさが増し、外部の人間を家に入れたくなくなります。この孤立は、周囲の関心を引くための無意識の操作でもあり、抑圧された怒りや不満が表面化することもあります。「自分の生活は他人の干渉を受ける権利がない」と主張することが多いです。

関連疾患(Connections)

ため込み症は不安障害、依存症、うつ病、双極性障害、身体的な移動困難と併発することがあります。また、衝動制御障害の一種である強迫的な買い物とも関係し、コントロールを失う恐怖からすべての所有物を保持しようとする傾向が見られます。