感情に関する主要な3つの理論とは?

ジェームズ・ランゲ説 (James-Lange Theory)

1885年に米国の心理学者ウィリアム・ジェームズとデンマークの心理学者カール・ランゲが提唱した、最も古い感情理論です。感情は、刺激に対する身体的反応をどのように解釈するかによって生じると考えます。

例えば森で蛇に遭遇したとき、最初に起こるのは心拍数の上昇、瞳孔拡大、呼吸の速さといった生理的反応です。恐怖という感情は、これらの身体反応を後から脳が解釈した結果として現れます。

キャノン・バード説 (Cannon-Bard Theory)

1930年代後半、米国の心理学者ウォルター・キャノンとフィリップ・バードは、感情と身体反応が同時に、かつ独立して起こると指摘しました。すなわち、感情が身体反応の解釈であるというジェームズ・ランゲ説とは逆の立場です。

彼らによれば、森で蛇に出くわした瞬間、身体は生理的に反応し、同時に脳は感情的に「恐怖」を経験します。両者は別々のシステムで同時に処理されます。

二要因説 (Two-Factor Theory)

米国の心理学者スタンリー・シャクターとジェローム・シンガーは、感情は単純な生理反応や単一の解釈だけでは説明できないと主張し、二つの要素が必要だと提案しました。

  • すべての感情に共通する「一般的覚醒状態」
  • その覚醒状態の原因を認知的に「解釈」すること

たとえば、予期せぬ蛇の出現でも、サプライズパーティでも、まずは一般的な覚醒状態が生じます。その後、状況を考え、どのような感情と結びつけるかを脳が判断します。

どの理論が正しいのか?

心理学全般に言えることですが、理論はあくまで仮説です。多くの認知心理学者は、3つの理論すべてに一部の真実があると考えています。進化心理学、精神分析、社会心理学の観点からは、機能的・無意識的・社会的要因を取り入れた別のモデルが提案されています。

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