解離性障害の症状
DSM‑IV‑TR(精神障害の診断・統計マニュアル 第4版 テキスト改訂版)によれば、解離性障害は意識、記憶、自己同一性、知覚のいずれかが乱れることを特徴とする精神疾患群です。単一の「解離性障害」ではなく、症状の組み合わせにより以下のように区別されます。
解離性健忘(Dissociative Amnesia)
本人の生活史に関する情報が、通常の忘却や脳外傷、他の解離性障害、PTSD、身体表現性障害などで説明できないほど思い出せなくなることが主症状です。忘却される内容は多くの場合、ストレスやトラウマに関連しています。この症状が日常生活・仕事・対人関係に支障を来す場合に診断されます。
解離性フューグ(Dissociative Fugue)
予期せぬ場所への移動と、過去の記憶が全く思い出せなくなる状態が特徴です。新しい環境に定着すると、本人は自分の身元に混乱し、場合によっては新たなアイデンティティを作り出すことがあります。薬物使用や他の医学的状態が原因でなく、生活上の重大な障害を伴う場合に診断されます。
解離性同一性障害(Dissociative Identity Disorder)
自己が二つ以上の別個の人格に分裂し、これらの人格が交互に行動を支配することが主症状です。また、重要な自己情報が思い出せないことも特徴です。薬物や全身性の医学的疾患が原因でないことが条件となります。
現実感喪失障害(Depersonalization Disorder)
自分の身体や自分自身から切り離されたような感覚が繰り返し生じます。まるで自分の人生を映画のように眺めている、機械のように感じる、あるいは自分の体の外にいるといった感覚です。現実と空想を区別できる点が特徴で、他の精神障害や薬物、医学的状態が原因でないことが条件です。
その他の指定されていない解離性障害(Dissociative Disorder Not Otherwise Specified)
意識、記憶、アイデンティティ、知覚の乱れはあるものの、上記のいずれの障害にも十分に該当しないケースを指す総称です。適切に治療しないと、後に別の解離性障害へと移行することがあります。
