多系統療法と行動障害
多系統療法と行動障害(CD)
行動障害(Conduct Disorder、CD)は、主に反社会的行動で特徴付けられる小児期の情緒障害です。10歳以下の子どもに多く見られますが、思春期に発症することもあります。身体的攻撃、窃盗、嘘、無断欠席、性的攻撃など多様な問題行動を示し、家庭や学校、友人関係に深刻な影響を及ぼします。重度の場合、拘禁や里親への引き離しのリスクも高まります。
多系統療法(MST)とは
25年前に開発された多系統療法(Multisystemic Therapy、MST)は、子どもの環境全体に働きかけることで行動障害に対処します。子どもの成長は家庭、学校、地域といった複数のシステムに強く影響されるという前提のもと、子ども本人、保護者、兄弟・親族、教師など関係者全員が協力し、支援的な環境を構築します。
治療の流れ
- 問題領域の評価:MST担当者が子どもの生活全般を分析し、問題が集中している場面を特定します。
- 問題解決プランの作成:子どもと周囲の大人に対し、具体的な対処法やスキルを提供します。
- 保護者への指導:効果的なしつけ方法やポジティブな言語の使用を学び、過度な甘やかしや厳しすぎる罰を避けます。
- 子どもの行動強化:適切な行動を報酬で積極的に強化し、問題行動を減少させます。
- 多職種連携:教師やソーシャルワーカーと情報共有し、必要な資源やサポートを確保します。
期待できる効果
MSTは、子どもの行動問題が環境要因に起因していると考え、全体的な支援体制を整えることで、問題行動の減少と社会的適応の向上を目指します。関係者全員が新たな対処スキルを習得し、子どもの健全な発達を促進します。
