PEM(運動後不快感)の原因とは?

PEM(運動後不快感)とは

PEMは、ME/CFS、POTS、ディスオートノミア、ロングCOVIDなどの基礎疾患を持つ人が、身体的または精神的な負荷を受けた後に現れる過度の疲労感や認知障害のことです。原因は一つに絞れず、複数の生理学的メカニズムが関与すると考えられています。

1. ミトコンドリア機能障害

エネルギー産生に関わるミトコンドリアの働きが低下すると、細胞のエネルギー供給が不足し、運動後に過度の疲労や倦怠感が出やすくなります。

2. 免疫系の過剰活性化

負荷が続くと炎症反応が引き起こされ、筋肉痛や疲労、認知機能低下といった症状が増幅します。

3. 神経ホルモンバランスの乱れ

視床下部-下垂体-副腎軸(HPA)や自律神経系の調節が崩れ、コルチゾールやアドレナリンの分泌が不安定になることで、エネルギー代謝やストレス応答が障害されます。

4. 酸化ストレス

過剰な運動により活性酸素種(ROS)が増加し、細胞障害やミトコンドリア機能低下を招き、疲労感が持続します。

5. 血流障害と血液プール

血流の変化や血液のプールが起きると、筋肉や組織への酸素・栄養供給が不十分になり、疲労が蓄積します。

6. 中枢感作(セントラルセンシティゼーション)

中枢神経系が過敏になると、通常の感覚が過度に強く感じられ、筋肉痛や認知障害が増幅されます。

7. 遺伝的要因

遺伝子多型や個体差が、上記メカニズムへの感受性を左右し、PEMの出やすさに影響を与える可能性があります。

PEMは多因子が絡み合う複雑な症状であり、個々の患者で関与するメカニズムは異なります。今後の研究で原因解明が進めば、より効果的な治療法や管理戦略が期待されます。

ストレス - 関連記事