飲料水中の大腸菌に関するEPA規制と基準
大腸菌群は土壌、植物、水、動物の消化管など自然に存在する微生物です。通常は人に病気を引き起こすことは少ないですが、異常に多く検出されると飲料水が安全でない可能性があることを、米国環境保護庁(EPA)は警告しています。
大腸菌の潜在的な危険性
多くの大腸菌は健康に影響しませんが、糞大腸菌や大腸菌(Escherichia coli、通称E. coli)など一部は胃腸炎を引き起こすことがあります。EPAによると、胃腸炎の主な症状は下痢、嘔吐、吐き気です。免疫力が低下している人や高齢者、幼児では重症化するリスクが高まります。
総大腸菌の基準値
EPAの最大汚染物質健康目標(MCLG)は「総大腸菌はゼロ」です。総大腸菌が検出されると「陽性」結果となりますが、毎月のサンプルのうち5%以上が陽性となることは許可されていません。月に40サンプル未満しか採取しない小規模な水道事業者の場合、陽性サンプルは月に1回までに制限されています。
急性MCL違反
総大腸菌数が異常に多いと、処理工程に問題があると判断され、EPAは糞大腸菌またはE. coliの検査を義務付けます。これらが検出された場合は「急性MCL(最大汚染物質レベル)違反」となり、水道事業者は違反が判明した24時間以内に公衆へ通知し、翌営業日までに州当局へ報告しなければなりません。
月次MCL違反
総大腸菌がサンプルの5%以上で検出されても糞大腸菌が見つからない場合は「月次MCL違反」となります。違反が判明したら、EPAは州当局へ翌営業日までに報告することを求め、一般市民には30日以内に通知するよう指示します。
大腸菌の除去方法
水道事業者は消毒によって大腸菌を除去します。主な消毒手段は塩素、紫外線(UV)照射、オゾンです。これらはE. coliを無効化できるとEPAは示しています。違反が発生した場合は、汚染源の特定と除去、消毒設備の修理・強化などの対策が取られます。
留意点
米国疾病予防管理センター(CDC)の調査によれば、米国人の7人に1人が井戸やプライベート・ウェルなど私的な水源を利用していますが、これらはEPAの規制対象外です。非営利団体NSF Internationalは、プライベート水源の利用者に対し、総大腸菌の年1回の検査を推奨しています。検査は地域の保健所などに依頼できる場合があります。
