食品中の細菌の種類
プロバイオティクス
多くの人は抗生物質(有害な細菌を殺し、病気を防ぐ薬)についてはよく知っていますが、プロバイオティクスは1950年代に造語された、体内の有益な細菌の増殖を助ける物質を指します。
ヨーグルトや発酵乳製品に含まれる乳酸菌は代表的なプロバイオティクスです。その他、ザワークラウト、醤油、味噌汁などにも生きた有益菌が多く含まれています。これらを摂取すると、潰瘍や下痢、便秘、過敏性腸症候群の発症率が低下するなどの健康効果が期待できます。
大腸菌 O157
大腸菌(Escherichia coli)は食品中に頻繁に見られる細菌で、ほとんどは無害です。しかし、一部の株はシガ毒素を産生し、重篤な食中毒を引き起こします。北米で最も多く報告されているのが O157株です。
O157 の感染症状は血性下痢、嘔吐、101°F(約38.3℃)以下の微熱です。感染者の 5〜10%が溶血性尿毒症症候群(HUS)という生命を脅かす状態に進行し、腎不全や死亡につながることがあります。疲労感、頻尿減少、顔色が蒼白になるなどの症状が見られた場合は、速やかな入院治療が必要です。
サルモネラ菌
サルモネラは生の鶏肉、肉、卵に多く存在する代表的な食中毒菌です。動物や人の腸内に常在し、糞便を通じて外部に排出されます。加熱が不十分な食品を摂取すると感染リスクが高まります。
感染すると下痢、発熱、腹部痙攣が現れ、症状は摂取後12〜72時間で出現し、最長で1週間続くことがあります。健康な成人は自然に回復することが多いですが、激しい下痢による脱水症状がある場合は医療機関の受診が必要です。菌が消化管以外に広がると命に関わることがあります。
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)
Clostridium botulinum は不適切に調理・加工された食品中に存在し、強力な神経毒素を産生します。この毒素が原因で発症するボツリヌス症は、米国で年間10〜30例程度と稀ですが、迅速な治療が行われないと死亡率が高くなります。
家庭での缶詰が最も多い原因とされていますが、ソーセージや加工肉、缶詰野菜、シーフードなども危険です。主な症状は筋力低下、めまい、複視、発話・呼吸困難、嚥下障害、便秘、腹痛などです。
