魚の水銀含有量を測定する手順
米国環境保護庁(EPA)は2004年に、魚介類に含まれる水銀の危険性について警告しました。サメ、カジキ、キングマカレル、タイルフィッシュなどは水銀濃度が高く、エビ、缶詰のライトツナ、サーモン、ポロック、ナマズは比較的低いとされています。工業排水から大気中に放出された水銀が降下し、メチル水銀に変化して河川や海に蓄積され、特に子どもや胎児に有害です。したがって、魚を食べる前に水銀濃度を測定することが重要です。
Rapid Pyrolytic Method(高速熱分解法)
1972年にRaymond J. Thomasらが報告した比較的簡易な手法です。均質化した魚組織を約900℃の空気流に燃焼させ、組織が分解されると同時に水銀が蒸発し、紫外線光度計で測定します。測定時間は約8分で、相対誤差は±10%です。
Cold Vapor Atomic Absorption Spectrometry(冷蒸気原子吸光法)
2005年にワシントン州環境局が採用した手法で、EPAが開発した「組織中の水銀の冷蒸気原子吸光測定」を応用しています。魚組織を硫酸・硝酸で58℃に加熱分解し、得られた液体を過酸化カリウム・過マンガン酸カリウムで一晩酸化します。その後、非分散型原子蛍光分光計で水銀含有量を測定します。
Non‑Lethal Method for Evaluating Mercury(非致死的水銀測定法)
2004年のカナダの研究は、米国にも有用なデータを提供しました。魚全体を破壊せず、4mmの生検針で筋肉の小片を採取し、採取後は再び水中に戻します。凍結乾燥した試料は硫酸・硝酸で5時間消化し、180℃のアルミニウムホットブロックで処理します。その後、過マンガン酸カリウム・硫酸ビスルフィート・ヒドロキシルアミン硫酸塩で酸化し、元素水銀検出器で水銀量を測定します。
