タバコがセロトニンに与える影響

セロトニン

ヒトの脳は常に神経伝達物質を産生し、神経細胞間の情報伝達を担います。主な神経伝達物質はノルエピネフリン、ドーパミン、そしてセロトニンの3つです。セロトニンは全体的な幸福感や安定した気分を保つ役割を持ち、欠乏すると不眠・不安・うつなどさまざまな症状が現れます。セロトニンの生成は日光や特定の食品、生活習慣、遺伝的要因などで促進されます。

ニコチン

タバコ1本には約10 mgのニコチンが含まれ、喫煙の快感と依存性の原因となります。肺から吸入されたニコチンは約8秒で脳に到達し、神経伝達物質を即座に刺激します。その結果、心拍数や呼吸数の上昇、血糖の産生増加が起こり、喫煙者は一時的な覚醒感や集中力の向上を感じます。

ニコチンとセロトニンの関係

ニコチンがセロトニン濃度に与える正確な影響は未解明ですが、短期的にはセロトニン産生を促進することが示唆されています。ダンディ大学の研究によれば、長期的な喫煙は脳内でセロトニン生成を阻害する変化を引き起こす一方、喫煙中はニコチンが一時的にセロトニンを増加させます。つまり、喫煙者は「リラックス感」を得ていると錯覚しますが、実際には喫煙自体が引き起こす不安に対する一時的な緩和に過ぎません。

ニコチン離脱とセロトニン

イリノイ大学の1999年の研究では、禁煙を試みる人はセロトニン低下による抑うつ様症状を経験しやすく、再びニコチンに頼る傾向があることが明らかになりました。研究では、禁煙時に予想されるセロトニン減少を食事でシミュレートし、実際の感覚を体験させることで、離脱時の「苦しい思考・感情・気分」に対処する手助けができるとされています。シカゴ大学のボニー・スプリング氏は、こうしたアプローチがニコチン依存からの脱却を支援すると指摘しています。

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