肥満手術の選択肢
手術の種類と仕組み
減量手術は大きく「制限型」「吸収阻害型」「併用型」の3つに分かれます。制限型は胃の容量を減らし、食事量を自然に抑える方式です。吸収阻害型は小腸の一部を迂回させ、カロリーや栄養素の吸収を低下させます。併用型はこの2つの要素を組み合わせた手術です。患者さんの年齢・体重・目標減量量などに応じて、最適な手術が選ばれます。
可逆手術と不可逆手術の違い
調整可能な胃バンド手術は可逆的な制限型手術です。胃の周りにシリコンバンドを装着し、バンドの締め付け具合を調整できるため、食事量を制限しながらも必要に応じてバンドのサイズを広げたり取り外したりできます。
一方、Roux‑en‑Y胃バイパス手術は不可逆的な手術です。胃の上部を小さく切り離し、残りの小さな胃袋を小腸に直接つなげます。制限と吸収阻害の両方の効果があり、手術後は一生にわたって厳格な食事管理が必要です。
目指す減量効果
手術ごとに期待できる減量率は異なります。Roux‑en‑Y手術は、1年で過剰体重の約73%を減らすことが報告されています。胃バンド手術は約33%の減量が目安です。体重が200~300ポンド(約90~135kg)以上の高度肥満患者には、胃をチューブ状にし小腸を分岐させるデュオデナルスイッチ手術が適しています。減量速度はRoux‑en‑Y手術と同等とされています。
併存疾患への効果
糖尿病、心臓病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群など、肥満に伴う合併症がある場合はRoux‑en‑Y手術が最も効果的とされています。手術によって体重が減少すると、これらの疾患の症状が大幅に改善されることが多数の研究で示されています。
食事制限の内容
すべての減量手術には何らかの食事制限が伴います。Roux‑en‑Y手術後は、1回の食事量を極めて少量にし、ビタミン・カルシウムのサプリメントを生涯にわたって摂取する必要があります。また、高脂肪・高炭水化物の食品は避けるべきです。
胃バンド手術でも同様に、少量の食事と固形食中の飲料摂取禁止が求められます。バンドの調整やビタミン不足を補うサプリメントが必要になることがあります。
デュオデナルスイッチ手術は、食べられる食品の種類に制限は少ないものの、総摂取カロリーを抑えることが求められます。
