卵管結紮(チューバル・リゲーション)のリスクと問題点
臓器損傷
卵管結紮手術中に、産婦人科医が近くの臓器(腸や膀胱)を誤って切断・切り傷をつけることがあります。これにより、追加手術が必要になったり、排尿・排便障害、失禁といった合併症が生じることがあります。また、骨盤や腹部の大血管が損傷するリスクもあり、特に血液サラサラ薬やアスピリンを服用している女性は注意が必要です。
麻酔に対する副作用
手術で使用される麻酔に対して、喉の痛み、呼吸困難、倦怠感、めまいなどの症状が出ることがあります。手術部位の激しい痛みや長引く痛みも報告されています。さらに、腹腔を膨らませるために二酸化炭素や笑気ガスを使用する場合、上腹部・肩・胸部に痛みを感じることがあります。
手術合併症
切開部や子宮、卵管、膀胱、腸などの感染が起こり得ます。感染が放置されると体内に拡大し、再入院や再手術が必要になることがあります。重症例では、感染した臓器の切除や皮膚移植が必要になることもあります。また、手術部位からの出血が起こるケースも報告されています。
妊娠・性感染症(STD)への影響
米メイヨークリニックによると、卵管結紮を受けた女性の約0.5〜1%が手術後に妊娠に失敗し、妊娠が成立します。そのうち多くは子宮外妊娠で、胎児は生存できません。子宮外妊娠は母体に対して臓器破裂や感染といった命に関わるリスクを伴います。なお、卵管結紮は性感染症からは防げません。
感情的な問題
医師は「家族が完成した」ことが確実な場合にのみ手術を勧めますが、手術後に「子どもが欲しい」と感じ直す女性もいます。後悔や喪失感、将来の子どもへの悲しみが生じることがあります。再婚や既に子どもを失った経験がある場合、特に強い悲しみが出やすいです。卵管結紮の逆転手術は可能ですが、腹部の大手術が必要で、成功率は必ずしも高くなく、保険適用外になることが多いです。
