精管切除(バセクタミー)逆手術の副作用とリスク

精管切除(バセクタミー)とは

クリーブランド・クリニックによると、精管切除は精子が精液に混入する通路である精管を遮断する外科手術です。局所麻酔下で行われ、外来手術として扱われます。医師は触診で精管(精子を運ぶ頑丈な管)を探し、皮膚に小さな穿刺を行って開口部を拡げ、精管を切断し縫合します。手術はほとんど痛みがなく、男性を永久的に不妊にします。

手術後も体内では精子の産生が続きますが、通路がないため精子は死滅し血流に再吸収されます。このため、精管切除は逆手術(バソバソストミー)で再び通路をつなげることが可能です。

逆精管切除(バソバソストミー)手術の流れ

  1. 患者は外来で手術予約をし、全身麻酔、局所麻酔、または腰部以下を麻酔する脊椎麻酔のいずれかを選択します。全身麻酔の場合は完全に意識がなく、局所麻酔の場合は鎮静剤を併用することが多いです。
  2. 麻酔が効いたら、外科医は陰嚢に十分な大きさの切開を入れ、精管を探ります。切除された精管の瘢痕組織を除去し、両端を慎重に合わせて縫合します。縫合は漏れや過剰な瘢痕形成を防ぐために細心の注意が必要です。
  3. 縫合が完了したら、精管を陰嚢内に戻し、切開部を縫合して手術は終了します。

合併症

  • 稀に精管だけでなく、精巣上体(精子が成熟する巻き管)にも閉塞が生じることがあります。精巣上体が閉塞すると、余分な精子が体内に蓄積され圧力が上昇し、漏れやさらなる閉塞を引き起こすことがあります。このケースは、元の精管切除が長期間経過した後の逆手術で特に起こりやすく、単純な精管再接続だけでは不妊を解消できません。

合併症の治療法

  • 精巣上体が閉塞している場合は、精管と精巣上体を直接つなぐ「精管上体吻合術(バソエピディディモストミー)」が必要です。精巣上体の管径は精管よりもはるかに細いため、手術は難易度が高く、成功率も従来の逆精管切除より低くなります。

副作用・リスク

  • 逆精管切除は比較的低リスクですが、以下のような副作用が報告されています。
    • 局所麻酔へのアレルギー反応、全身の筋肉痛・関節痛、便秘、吐き気、術後疼痛。
    • 切開部からの出血により陰茎や陰嚢が青あざや腫れを呈することがあります。多くは軽度で自然に改善しますが、血腫や感染が起きた場合は医師の診察が必要です。感染は5%未満と低頻度ですが、抗生物質での治療が必須です。
    • 稀に長期的な睾丸痛(3か月以上続く)、睾丸萎縮(瘢痕や線維化による精子・テストステロン産生低下)、性機能障害(心理的要因が関与することが多い)があります。

成功率

オックスフォード・ジャーナルによれば、逆精管切除の成功率は約85〜97%で、少なくとも一部の精子が陰茎へ届くことが確認されています。ただし、精管の瘢痕、静脈瘤、感染、外傷、ホルモンバランスの乱れなどが成功を妨げる要因となります。また、成功後でも約10%の男性は精子数が低下し、管の漏れや過剰な瘢痕形成が原因と考えられます。

手術(総論) - 関連記事