植物性栄養素の治療効果と活用法
フィト栄養素は植物に自然に存在する化学化合物で、近年、人の健康に対する顕著な薬理効果が明らかになっています。特に変性疾患や加齢に伴う病気の予防・補完医療として注目され、米国農務省(USDA)はがん・心臓病・アルツハイマー病がフィト栄養素の潜在的治療効果を知らないことに起因すると指摘しています。現在、多くの研究が特定の果物や野菜に含まれるフィト栄養素の効果を検証中です。
種類
果物や野菜の色・香り・味の数だけ、フィト栄養素の種類は存在します。中でも、トマトの赤色を生み出すリコピンはがん予防に、豆腐や大豆に含まれるイソフラボンは心臓病や特定がんのリスク低減に、ブルーベリーのフラボノイドは神経細胞の老化を逆転させる可能性があると報告されています(USDA)。
がん
フィト栄養素は細胞や臓器の機能に特異的に作用し、がん細胞の増殖を抑制するものが多数報告されています。2001年の『Nutrition and Cancer』誌掲載の研究では、ニンニクに含まれるセレン、ブドウのレスベラトロール、大豆のゲニステインが特に有効とされました。実践例として、食事にニンニクを取り入れ、赤ワインやブドウジュースを併せ、肉の代わりに大豆製品を選ぶことが推奨されています。
心臓病
心臓病は脂肪摂取やフィト栄養素不足が関与すると考えられています。2003年の『Journal of the American College of Cardiology』の研究では、17種の果物・野菜・穀物を乾燥濃縮したサプリメント「Juice Plus」を高脂肪食と併用した被験者が、4週間で冠動脈への悪影響が抑制されたことが示されました。Juice Plusはクランベリー、トマト、アセロラチェリー、ブロッコリーなどを含み、1日2回、食事と共に2カプセルを摂取します。
脳の健康
多くのフィト栄養素は脳機能に有益で、加齢による認知低下を逆転させる可能性があります。1999年の『The Journal of Neuroscience』の研究では、ほうれん草、ブルーベリー、イチゴに含まれる抗酸化フィト栄養素が神経・認知機能の衰えを防ぐと報告されました。実験では体重1kgあたり10〜20gの新鮮な果物・野菜(平均で1日約1ポンド)を摂取することが推奨されています。
将来の可能性
今後、さまざまな疾患に対するフィト栄養素治療法が次々に発見される可能性は高く、ほぼ必然と言えるでしょう。色鮮やかで風味豊かな果物・野菜や香辛料は、フィト栄養素の濃度が最も高い供給源です。これらを多く取り入れた食生活は、健康維持だけでなく多くの病気の予防・治療に大きく寄与すると考えられます。
