ティーツリーオイル使用時の注意点
ティーツリーオイルはオーストラリア原産のメラルーカ・オルタニフォリア(マートル科)から抽出され、皮膚や爪の細菌・真菌・ウイルス感染症の治療に広く用いられています。主要な有効成分は100種類以上あり、特にテリピネン‑4‑オールが抗菌作用と炎症抑制に寄与します。しかし、使用には注意が必要です。
アレルギー
商業製品に含まれるティーツリーオイルは、一部の人にアレルギー反応を起こすことがあります。2007年にオーストラリアの『The Australasian Journal of Dermatology』に掲載された研究では、酸化したティーツリーオイルに対しパッチテスト陽性となった患者は1.8%で、うち20%は使用前に純粋なオイルを使用していました。アレルギーは不純物や酸化生成物が原因と考えられています。
抗菌薬耐性
ティーツリーオイルはMRSAや大腸菌(E. coli)を含む広範な抗菌活性を示しますが、濃度が低すぎると逆に抗菌薬耐性を助長する恐れがあります。2007年の『Journal of Antimicrobial Chemotherapy』掲載のAnn McMahonらの研究は、適切でない低濃度の使用がヒト病原体の耐性獲得に寄与し得ることを示しています。
毒性
飲み込むと人間はもちろん、ペットにとっても有害です。誤飲により神経症状、嘔吐、眠気、最悪の場合は昏睡に至ることがあります。特に猫や犬は皮膚からも吸収しやすく、誤用や過剰使用で中毒を起こすことがあります。解毒薬はなく、対処は主に支持療法に限られます。
妊娠・ホルモンへの影響
米国国立衛生研究所は、妊娠中や分娩時のティーツリーオイル使用の安全性を裏付けるエビデンスがないとしています。オイルは子宮収縮を抑制する可能性があり、分娩時の使用は避けるべきです。また、2007年の『The New England Journal of Medicine』の報告では、ラベンダーオイルとティーツリーオイルを含む製品を使用した少年3人に男性乳房(女性化乳房)が発生し、これらのオイルが性ホルモンバランスに影響を与える可能性が示唆されました。
