ヘンプ(麻)の物理的特徴とは?
ヘンプ(麻)の概要
ヘンプはバス繊維植物に分類され、フラックス(亜麻)、ジュート(黄麻)、ラミー、ケナフなどと性質が似ています。大麻(Cannabis sativa)の茎と種子を工業的に利用したもので、医薬、衣料、アクセサリー、食品など多岐にわたる用途があります。
ヘンプシード(種子)
ヘンプシードは食用として利用され、全粒で約25%がタンパク質、30%が炭水化物、15%が不溶性食物繊維を含みます。また、カロテン、リン、カリウム、マグネシウム、硫黄、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンE・C・B1・B2・B3・B6などの栄養素も豊富です。必須脂肪酸を含むため、スナックバー、クッキー、ヴィーガンバーガーなどの加工食品に使用され、皮膚疾患の治療など医薬的にも活用されています。
一次バス繊維(長繊維)
一次バス繊維はヘンプ全体の約70%を占め、茎全長にわたって伸びる長い繊維です。セルロース含有量が高く、リグニンが少ないため、強度と耐久性に優れます。ヘンプは高さ約4.5メートルまで成長し、一次繊維は長いストランドとして収穫されます。この特性により、断熱性が高く、衣料品や紐、テキスタイル、紙、家庭用品などに広く利用されています。
二次バス繊維(短繊維)
二次バス繊維は残りの約30%を占め、一次繊維より短く、リグニン含有量が高いです。密植されたヘンプでは二次繊維が増え、茎は太く短くなりますが、抽出には手間がかかり、一次繊維ほどの価値はありません。
ハード(芯材)
ヘンプの内部茎は「ハード」と呼ばれる短く木質化した繊維質材料です。従来はバス繊維抽出の副産物として廃棄されがちでしたが、バイオマス燃料や食品添加物としての利用が進んでいます。
産業と環境への考慮点
執筆時点で中国が最大のヘンプ生産国です。他国でも徐々に栽培が拡大しています。環境保護団体は、農薬や大量肥料を必要とする綿花の代替作物としてヘンプを推奨しています。
