自然療法とマドロンの木

背景と概要

ブリティッシュコロンビアからメキシコ北部にかけて分布するマドロン(マドローネ)樹は、極端な温度変化、乾燥、高度、日陰にも耐える自然の適応力を持ち、少量の水でも生育できる。貧弱な土壌でも根付きやすく、さまざまな土質に対応できるため、幅広い気候帯で繁茂する。高さは最大約30メートル(98フィート)に達し、広葉の常緑樹で、幹は斜めに曲がり、枝はねじれながら上向きに伸び、丸みを帯びた樹冠を形成する。葉は長さ約7〜12センチメートルで、光沢のある暗緑色で裏面は淡色。春(4〜5月)になると白い壺形の花が房状に咲き、小さな赤橙色のベリーが実る。樹皮は薄く赤茶色で、剥がすと細長い帯状や薄片となり、下層の新しい樹皮が露出する。

消化器系疾患への利用

カリフォルニア西部の先住民のうちすべてがマドロンを薬用にしたわけではないが、カウィラ、コンコウ、ミウォック、ユキなどの部族は消化器系の不調に活用した。カウィラ、ミウォック、ユキは葉を採取し、胃痛や腹痙攣の緩和に用いた。コンコウとユキは、全株を食べさせて嘔吐を誘発させる手段として利用した。また、ベリーは多くの部族で食用とされ、ミウォックはそれを発酵させてサイダーにし、食欲増進の効果があると信じていた。

皮膚の外用治療

ポモとユキの部族は、葉や樹皮を液体に抽出して皮膚疾患の治療に用いた。ポモは樹皮を煮出して洗浄液を作り、傷口の清浄や毛穴引き締め、美肌効果を期待した。ユキは樹皮と葉の浸剤を調合し、切創や潰瘍の治療に使用した。さらにユキは葉を用いて火傷やリウマチの緩和にも活用した。

風邪・喉の痛みへの利用

同様に、ポモとユキはマドロンの成分を風邪や喉の痛みの緩和に利用した。ポモは皮膚洗浄に使った樹皮の煎じ液をうがい薬としても用い、喉の炎症を和らげた。葉を浸した飲み薬は、ポモが風邪の治療に、ユキが喉の痛みや風邪症状の緩和に使用した。

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