ヴァレリアン抽出物の効果と利用法
はじめに
ラテン語で「強い」や「健康的」という意味を持つ "Valer" は、古くから薬用植物として利用されてきたヴァレリアン(セイヨウカノコソウ)に由来します。ヨーロッパとアジア原産のこの植物は、現在では世界中で栽培され、根や茎から抽出されたエキスは多くの健康効果が期待され、数多くの研究が行われています。
抽出物とは
乾燥させたヴァレリアンの根と茎を粉砕し、抽出したものがヴァレリアンエキスです。主に以下の形態で利用されます。
- ハーブティー
- ビタミン・サプリメント
- オイル・チンキ(ティンクチャー)
- 軟膏(サルブ)
- カプセル
不眠症への効果
古代ギリシアのヒポクラテスが睡眠補助として使用していたとされ、現在でも不眠症の緩和に広く利用されています。米国国立医学図書館の研究では、2 ml の液体エキスを水で薄め、ハチミツで甘味を加えて摂取した20名の被験者全員が、ヴァレリアン未使用時に比べて深い睡眠時間が増加したことが報告されています。市販のカプセルは 400〜900 mg の用量で睡眠改善に用いられます(Medline Plus)。
ストレス・不安の緩和
ヴァレリアンの根は中枢神経系を鎮静させる作用があり、ドイツでは子どもの興奮を抑えるためや第二次大戦中の空襲時に不安を和らげる目的で使用されました。Medline Plus によると、セントジョンズワートと併用することで不安障害の緩和にも効果が期待されます。サプリメントは 100〜600 mg をストレスがかかる前後に摂取します。
強い臭い
ヴァレリアンは非常に強烈で不快な香りが特徴です。16世紀にはその香りを利用して香水として販売されたこともあり、ラテン語の語源「強い(valere)」はこの臭いを指すと考えられます。
その他の利用例
過去にはてんかん、神経過敏、ヒステリーの治療に用いられましたが、現代のヒトを対象とした研究では十分なエビデンスは得られていません。一方、ラットを用いた実験では抗痙攣作用が示唆されており、将来的な治療法として期待されています(Medline Plus)。
副作用
報告されている副作用はめまい・胃痛程度です(Office of Dietary Supplements)。別名としては「祝福のハーブ」「バレリアナ」「ヤコブのはしご」などがあります。
頭痛・偏頭痛への効果
中枢神経系に作用するため、偏頭痛の緩和にも利用されます。頭痛用ハーブティーにヴァレリアンが配合されることが多いです。
肌とニキビ
ヴァレリアン根を配合した軟膏は、ニキビや創傷などの皮膚トラブルに対して抗炎症作用を示すとされています。
