慢性神経障害性疼痛と失敗した背部手術症候群
医師は、非侵襲的治療で慢性の神経障害性腰痛が改善しない場合、椎弓切除術(ラミネクトミー)、椎間板摘出術(ディセクトミー)や脊椎固定術(スパイナル・フュージョン)を実施します。失敗した背部手術症候群(Failed Back Surgery Syndrome、FBSS)あるいは椎弓切除後症候群は、手術後も残る慢性的な神経障害性疼痛を指します。
事実
- 米国国立関節リウマチ・筋骨格・皮膚疾患研究所(NIAMS)によると、FBSSは毎年1万人以上の患者に影響を及ぼしています。患者がこの症候群を発症しやすいかどうかを予測するのは困難ですが、ストレスやコルチゾール産生低下が関与している可能性が、米国国立医学図書館の報告で示唆されています。
原因
- 瘢痕組織(硬膜外線維症)による神経根への圧迫や、神経根出口部の狭窄(孔狭窄)が疼痛の緩和を妨げます。
- 脊椎固定術は、固定された椎体の上下部に新たな神経障害性疼痛を引き起こすことがあります。
考慮点
- 脊椎手術は神経圧迫を除去しますが、神経炎症そのものは解消しません。特定の椎間板が慢性疼痛の原因でない場合、手術は効果が期待できません。
対策
- 医師は、減圧手術だけで残存する炎症性疼痛に対し、硬膜外ステロイド注射を提案することがあります。
- また、脊髄刺激装置(スパイン・コルド・スティミュレーター)を埋め込み、痛み信号を脳へ伝達させない方法も検討されます。
注意点
- 米国国立衛生研究所(NIH)の報告によれば、鎮痛薬やその他の非侵襲的疼痛管理法は、FBSSによる疼痛に対して効果が薄いことがあります。
