脊椎すべり症の再発リスクと対策

米国では、屈む・ねじる・持ち上げる作業が多い職場で、背中の痛みを訴える人が多数います。背痛は筋肉の緊張や姿勢の悪さが原因となることが多いですが、稀に脊椎すべり症(spondylolisthesis)によるものです。本稿では、この疾患の概要と、再発リスクを高める要因について解説します。

概要

脊椎すべり症は、椎骨が本来の位置から前方や後方にずれる状態を指します。通常、椎骨は椎間板というゼリー状のクッションで分離されていますが、先天的な異常、繰り返しの動作、外傷などが原因でずれることがあります。発症は脊椎全体で起こり得ますが、特に腰椎(下部)で多く見られます。男性の約5%、女性の約3%が罹患していますが、ほとんどは進行せず治療を要しません。

原因

① 繰り返しの動作が原因の場合、同じ動作を継続すると同一部位に負荷が集中し、椎骨や椎間板が弱くなった箇所で再びすべりが起こりやすくなります。動作を中止すれば、同部位への過度な負荷を回避でき、再発リスクは低減します。
② 一度の外傷が原因の場合、同じ強度・方向の外力が再び加わる可能性は低いものの、背中に大きな負荷がかかる活動は避けるべきです。

リスク要因

以下のような活動は脊椎すべり症の再発リスクを高めます。

  • 激しい接触スポーツ(フットボール、体操など)
  • 高所からの飛び込みや潜水
  • 重いものを持ち上げる作業

これらは背部に大きな負荷を与えるか、急激な外傷の危険性があります。

予防策

・コルセット(背部ブレース)を装着すると、患部の可動性が制限され、治癒中の椎骨への過度な衝撃を軽減できます。また、正しい姿勢を維持することで、椎骨が適切な位置に留まります。
・適切なストレッチや筋力トレーニングで背部の安定性を高めることも有効です。

手術

症状が重度で手術が必要な場合、すべりが起きた椎骨を正しい位置に固定します。手術中にロッドやプレートを用いて椎骨を安定させることで、再びすべりが起きにくくなります。椎骨同士を融合させる椎体固定術(fusion)を行えば、すべりの再発リスクはさらに低減します。

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