坐骨神経痛(坐骨神経の圧迫)について

原因

坐骨神経は背骨から臀部、脚の後面へ走ります。腰部(腰椎)で神経が圧迫されると坐骨神経痛(坐骨神経根症)となります。最も一般的な原因は椎間板ヘルニアです。椎間板が腫れ神経根を圧迫すると、腰部から足先まで痛みが広がります。

その他の原因としては、脊椎すべり症、梨状筋症候群、腰部脊柱管狭窄症、腫瘍、外傷などがあります。

症状

圧迫される部位によって症状は異なりますが、最も多いのはL5・S1レベルの神経根です。この場合、臀部からふくらはぎの裏側、足先にかけて痛みやしびれが現れます。L4・L3レベルが圧迫されると、太ももの背面・側面・前面に痛みが走りますが、足先への放散はまれです。

通常は片側の脚だけが症状を示し、腰痛がなくても足に痛みが出ることがあります。神経への血流が遮断されると、脚がしびれたり、筋力が著しく低下することもあります。

多くの坐骨神経痛は4〜8週間で自然に改善しますが、痛みが1か月以上続く、または排尿・排便障害がある場合は速やかに医療機関を受診してください。

診断

診断は問診と基本的な身体検査から始まります。医師は仰向けで脚を上げるテストやつま先に手を伸ばすテスト、しゃがんだ姿勢から立ち上がる動作などを指示し、神経の機能を評価します。

レントゲンは椎間板ヘルニアを直接映し出すことはできませんが、腫瘍や骨棘の有無は確認できます。CTスキャンは神経の圧迫部位を示し、MRIは脊椎・軟部組織・神経の詳細な画像を提供し、最も確実な検査法です。

治療

治療は症状の重症度に応じて選択されます。軽症の場合は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩剤が処方され、必要に応じて短期間のオピオイド鎮痛薬が追加されます。慢性的な神経痛には三環系抗うつ薬や抗けいれん薬が有効です。

ステロイドの短期大量投与や硬膜外ステロイド注射は、炎症が強い場合に有効です。

理学療法や背筋・体幹のエクササイズ、正しい歩行・姿勢・座位の指導は、回復に欠かせません。

症状が重度・慢性化し、薬物療法で改善しない場合は、圧迫している椎間板部分を除去する手術が検討されます。

予防・対策

日常的な低負荷の有酸素運動(ウォーキングや水泳など)や体幹強化エクササイズは、背筋と脊椎の柔軟性を保ちます。理学療法士と共に自分に合ったエクササイズプログラムを作り、姿勢(座位・立位・持ち上げ動作)に注意することが重要です。

坐骨神経痛のストレッチ
ストレッチで坐骨神経痛を和らげる例

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