鉄過剰症の兆候と症状
鉄はヘモグロビンやミオグロビンの構成要素で、酸素を細胞へ運搬するタンパク質です。体内で鉄の貯蔵機能が低下したり、遺伝性疾患により過剰に蓄積されたりすると、様々な健康障害が現れます。遺伝性疾患のヘモクロマトーシスは、心臓や肝臓など主要臓器に鉄が過剰に沈着し、最終的に臓器障害を引き起こすことがあります。
関節痛・筋肉痛
ヘモクロマトーシスによる痛みは主に関節、特に手の関節に集中します。場合によっては関節炎を伴うことがあります。また、鉄過剰が原因で腹部の痛みや痙攣が起こることもあります。
生殖機能への影響
男性ではインポテンスや性欲低下が見られます。月経中または閉経前の女性では月経不順や無月経、性欲減退が起こることがあります。
疲労感
ヘモクロマトーシスは倦怠感や脱力感、場合によっては慢性疲労症候群(CFS)を引き起こすことがあります。ただし、疲労感だけで鉄過剰を診断することはできません。
内臓への影響
病状が進行すると、過剰な鉄が蓄積した臓器に障害が現れます。肝臓は特に影響を受けやすく、肝癌、肝硬変、最終的には肝不全に至ることがあります。心臓も不整脈やうっ血性心不全などの重篤な症状を示すことがあります。
その他の症状
初期段階では血糖値が上昇し、やがて糖尿病を発症しやすくなります。また、甲状腺機能低下症(低甲状腺)も見られます。皮膚は銅色や灰色がかった色調に変化し、外観上の特徴的なサインとなります。
診断方法
ヘモクロマトーシスの確定診断には血液検査が不可欠です。症状は他疾患と似通うため、医師による問診と併せて血中の鉄関連指標を測定します。主な検査項目はトランスフェリン飽和度、血清フェリチン、未結合鉄結合能(UIBC)で、これらにより鉄の過不足を評価します。
