回旋腱板損傷の段階と完全断裂・部分断裂の違い

回旋腱板(RTC)は肩関節にある4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)から構成され、肩関節の動的安定性を保ちます。投球やオーバーヘッド動作を多く行う選手だけでなく、加齢による「すり減り」でも損傷が起こります。RTCの損傷は重症度に応じて段階的に分類され、治療法も異なります。

第1段階:回旋腱板の捻挫(炎症)

最も軽度の段階で、棘上筋腱に炎症が起こります。主に25歳以下の若年者に見られ、上腕外側の痛み、頭上への挙上時や患側での睡眠時に不快感が生じます。可動域が制限されることもあります。治療は安静、冷却、鎮痛・抗炎症薬、疼痛軽減を目的とした理学療法(ストレッチ・筋力強化)です。

第2段階:回旋腱板腱炎・線維化

炎症が持続し、腱に線維化が進行します。症状は第1段階と類似しますが、炎症が慢性化するため、痛みが強くなりやすいです。治療は第1段階に加えて、活動修正、温熱・冷却療法、ステロイド注射(コルチゾン)などで炎症を抑えます。慢性腱炎が放置されると、腱が摩耗しやがて断裂につながります。

第3段階:部分厚層断裂

腱の一部が裂けているが、骨への付着は残っている状態です。痛みと可動域制限が顕著になり、日常動作が困難になります。まずは理学療法で可動域と機能回復を目指し、改善が見られなければ手術が検討されます。

第3段階:完全厚層断裂(完全断裂)

腱が骨から完全に離脱し、肩の機能が大幅に低下します。外科的に腱を再付着させ、骨棘除去などの処置が必要です。手術後は段階的に負荷を増やすリハビリテーションプログラムを実施し、修復成功と肩機能回復を目指します。

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