腱炎の種類と対策

腱は筋肉を骨に結びつける組織で、特に膝や肩など関節部に多く存在します。過度の使用や加齢により腱が刺激され、炎症や痛みを伴う腱炎(腱炎症)が起こります。

腱炎の識別と症状

腱炎は関節部の痛み、熱感、灼熱感、腫れなどで特徴付けられます。患部は圧痛があり、動かすと抵抗感が生じます。腫れは筋繊維に影響し、関節の可動域が制限されます。痛みは関節全体の動作中に起きることもあれば、特定の姿勢で強くなることもあります。例えば、肩の腱炎の場合、肩の高さまで腕を上げることはできても、それ以上上げると痛みが出ます。

腱炎の種類

主な腱炎は以下の9種類に分類されます。

  • 指腱炎
  • 足指腱炎
  • 手首腱炎
  • 肘部腱炎(テニス肘・ゴルフ肘)
  • 膝腱炎
  • ローテーターカフ腱炎
  • アキレス腱炎
  • 腸脛靭帯腱炎
  • 内転筋(鼠径部)腱炎

同一部位でも複数の腱が炎症を起こすことがあります。例として、テニス肘は外側上顆に付着する腱が摩擦で炎症し、ゴルフ肘は内側上顆付近の腱が影響します。肩のローテーターカフは4本の腱から構成され、いずれも炎症を起こす可能性があります。腸脛靭帯は股関節から脛骨外側に伸びる帯状の腱で、走行中の摩擦が原因となります。

腱炎の重要性

腱炎は労働やスポーツ活動を妨げ、欠勤や競技参加の制限につながります。特に40歳以上で発症率が高く、労働者災害補償制度でも障害として認定され、補償の対象となります。工場で繰り返しの動作を行う作業者は手首腱炎にかかりやすく、腱鞘炎により手の動きが制限されます。ローテーターカフ腱炎は上げる動作や頭上での持ち上げが困難になり、上腕骨と肩峰間の腱が肥厚し、滑液包が炎症を起こすため、腕が実質的に動かせなくなることもあります。

治療法

腱炎の基本的な対処は「安静」と「氷冷療法」です。1回20分程度を1日数回、患部に氷嚢を当てます。氷は血管収縮を促し、腫れが収まるまで血流を抑制します。痛みや炎症が強い場合は、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を使用します。重症例ではステロイド注射が検討され、まれに外科手術が必要になることもあります。

予防・対策

腱炎の予防には、運動やスポーツ前の関節のストレッチが有効です。関節を曲げて一定時間保持することで、腱を柔軟にし、負荷に備えることができます。例えば、肘を胸に近づけるストレッチは肩のローテーターカフ腱を伸ばします。また、周囲の筋肉を強化することも重要です。太ももの前側(大腿四頭筋)や後側(ハムストリング)を鍛えると膝の腱炎予防につながります。過度な負荷や無理なトレーニングは避け、適度な休息を取ることが大切です。

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