嚢胞性線維症が影響を及ぼす体の部位は?
嚢胞性線維症(CF)は、粘液の性質が変化することで肺や消化器系をはじめ、体のさまざまな臓器に障害をもたらします。以下に、主な影響部位とその具体的な症状をまとめました。
1. 肺
CFでは粘性の高い痰が気道にたまり、呼吸がしにくくなります。その結果、繰り返しの肺感染、慢性的な炎症、気管支拡張症や肺線維症といった進行性の肺障害が起こります。
2. 消化器系(膵臓)
膵臓から分泌される消化酵素が、厚い粘液によって膵管に詰まります。そのため、脂質・タンパク質・炭水化物の吸収不良が起き、栄養失調や脂肪便・悪臭便、ビタミン・ミネラル欠乏が見られます。
3. 肝臓・胆道系
粘液が胆管を閉塞し、胆汁うっ滞(コレステーシス)や脂肪肝、肝硬変などの肝障害を引き起こすことがあります。
4. 生殖系
男性では精管が閉塞または欠損し、無精子症となって不妊が起こります。女性では子宮頸部の粘液が濃くなるため、受精しにくくなることがあります。
5. 発汗腺
発汗時に過剰に塩分と水分が失われやすく、脱水や電解質異常、暑熱時の熱射病リスクが高まります。
6. 鼻副鼻腔・鼻腔
慢性的な鼻閉や副鼻腔炎、鼻ポリープ(鼻腔内の異常増殖)が頻繁に見られます。
7. 骨
ビタミンDやカルシウムの吸収不良により骨密度が低下し、骨粗鬆症や骨折のリスクが増大します。
CFは主に肺と消化器系に影響しますが、全身にわたる合併症が生じやすい疾患です。定期的な医療チェックと多職種チームによる総合的な管理が、症状のコントロールと生活の質向上に不可欠です。
