低コレステロールの危険性とは?
高コレステロールは冠動脈疾患の危険因子としてよく取り上げられますが、逆にコレステロールが低すぎても健康に害を及ぼすことがあります。心臓への影響は少ないものの、脳機能や妊娠、全身の代謝に悪影響を与える可能性があります。ここでは、適切なコレステロールの範囲と、低コレステロールがもたらすリスクについて解説します。
測定値の目安
血中コレステロールは mg/dL(ミリグラム/デシリットル)で測定され、以下の基準が一般的です。
- 正常:200 mg/dL 未満
- 境界域:200〜239 mg/dL
- 高値:240 mg/dL 以上
高値や境界域の場合は減少が推奨されますが、どこまで下げれば安全かは個人差があります。
コレステロールの供給源
食事から摂取するコレステロールは全体の約25%にすぎません。残りの75%は肝臓で合成されます。低コレステロール食にすると、肝臓は逆に合成を増やすため、極端に減らすことは難しいです。逆に過剰に摂取すると、体は自らの合成を抑制します。
体内での役割
コレステロールは細胞膜の構造を保つ抗酸化物質であり、脳機能、胆汁の生成、脂溶性ビタミンの代謝、ホルモン(性ホルモンを含む)のバランス維持に不可欠です。また、紫外線B(UVB)と反応してビタミンDの合成を助けます。
低コレステロールのリスク
- 血中コレステロールが150 mg/dL 未満の男性は、190 mg/dL 以上の男性に比べて脳出血のリスクが約4倍に上昇。
- 認知機能テストで、200 mg/dL 未満の人は言語流暢性、注意力、抽象的推論のスコアが低下。
- 極端に低い値は認知症、うつ病、攻撃的行動と関連し、がんや自殺のリスク因子ともされています。
妊娠への影響
妊婦の血中コレステロールが低いと早産のリスクが高まります。胎児は脳の発達にコレステロールを必要とし、母乳からも供給されますが、母体が低コレステロールだと十分に供給できない可能性があります。
低コレステロールの原因
- 甲状腺機能亢進症
- 肝疾患
- 吸収不良症候群
- 腸管からの栄養吸収不足
- マンガン欠乏
- 栄養失調
低コレステロールが疑われる場合は、上記の基礎疾患の有無を医師に相談し、適切な検査と対策を行うことが重要です。
