インフルエンザで嘔吐が起こる理由とは
インフルエンザに伴う嘔吐は、ウイルスと体内の炎症反応が複雑に関与しています。以下に主なメカニズムをまとめました。
ウイルスの侵入と増殖
インフルエンザウイルスは呼吸器上皮細胞に感染し、そこで増殖します。ウイルス増殖に伴う細胞損傷により、サイトカインやケモカインなどの炎症性メディエーターが放出されます。
サイトカインの放出
インターロイキン‑1(IL‑1)、インターロイキン‑6(IL‑6)、腫瘍壊死因子α(TNF‑α)などのサイトカインが大量に分泌されます。これらは嘔吐中枢である孤束核(NTS)や領域後部(AP)を刺激し、嘔吐反射を引き起こします。
迷走神経の活性化
炎症メディエーターは腸や呼吸器の迷走神経求心性線維を刺激し、信号が脳幹へ伝わります。その結果、嘔吐中枢が活性化されます。
神経伝達物質とホルモンの変化
炎症に伴い、セロトニン(5‑HT)やドーパミン(DA)、ガストリンなど嘔吐調節に関わる神経伝達物質やホルモンのバランスが乱れ、嘔吐が促進されます。
消化管への直接的影響
ウイルスが腸上皮細胞に侵入したり、炎症メディエーターが腸粘膜に作用したりして、胃腸障害が起こります。これにより吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れます。
二次的な要因
発熱や脱水、電解質バランスの乱れといったインフルエンザの他症状も嘔吐を助長します。これらの要因が重なることで、嘔吐が顕著になることがあります。
