冬に精巣が腹部に残ったままの場合、何が問題になるのか?

未降下精巣(クリプトルチディズム)とは

精巣は胎児期に腹部から陰嚢へと降りてくるはずですが、降りきれないまま腹腔内に残ってしまうことがあります。この状態を未降下精巣、あるいはクリプトルチディズムと呼びます。

季節と未降下精巣の関係は?

未降下精巣は季節によって起こるものではなく、出生前に起因する先天性の問題です。そのため「冬に」精巣が腹部に付着したままであるという表現は医学的には正確ではありません。重要なのは、精巣が腹部に残っていること自体がもたらすリスクです。

主な合併症と症状

  • 疼痛・不快感:腹腔内にある精巣は周囲の組織と摩擦しやすく、腹部や鼠径部に痛みや違和感を感じることがあります。
  • 不妊のリスク:体温が高い腹部に精巣が残ると、精子の生成が妨げられ、将来的に不妊につながる可能性があります。
  • 精巣がんのリスク増大:未降下精巣は正常な陰嚢内にある精巣に比べ、がんになる確率が約3〜8倍高いとされています。
  • 鼠径ヘルニア:精巣が腹壁の弱い部分を通過しているため、鼠径ヘルニアを併発しやすくなります。

治療の選択肢

未降下精巣は放置すると上記のリスクが高まるため、早期の診断と治療が推奨されます。主な治療法は以下の通りです。

  • 外科的固定(オルキオペキシ):精巣を陰嚢へ移動させ、固定する手術です。通常、生後6か月から1歳までに行うと最も効果的です。
  • ホルモン療法:ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)やクロミフェンなどを投与し、精巣の降下を促す方法です。手術と併用されることもあります。

いずれの方法も、専門医と相談しながら最適なタイミングと手段を選ぶことが重要です。

まとめ

未降下精巣は季節に関係なく、出生前に起こる先天的な状態です。腹部に残ったままの精巣は疼痛や不妊、精巣がんリスクの上昇、鼠径ヘルニアなど様々な合併症を引き起こす可能性があります。早期に医師の診断を受け、適切な手術やホルモン療法で陰嚢へ移すことが推奨されます。

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