ダンスセラピーとうつ病の関係
ダンスセラピーは、1940年代に米国で本格的に始まり、精神・身体障害の治療に活用されてきました。科学的研究はまだ限られていますが、米国がん協会など多くの団体が、運動効果や自己認識の向上、感情表出の手段としての有効性を認めています。
歴史
現在のダンスセラピーの概念は、イギリスで生まれ、1940年代に米国へ伝わりました。ダンサーで振付家のマリアン・チェイスはワシントンDCでダンススクールを開設し、受講者の身体的・感情的な改善を観察しました。その後、セントエリザベス病院で指導を行うようになり、フラン・J・レヴィは『Dance/Movement Therapy: A Healing Art』で、ダンスが古代からのカタルシス・治療手段であると指摘しています。
基本理念
ダンスセラピーは「心と体は切り離せない」という前提に基づきます。ダンスは単なる運動であり、可動域・柔軟性・筋力を高め、脳内のエンドルフィン分泌を促進して幸福感をもたらします。また、全身運動は循環・呼吸・骨格・筋肉系を活性化し、自己と他者への非言語的な情報伝達を可能にします。これにより、孤立感が軽減され、未来への希望が芽生えます。
活用例
資格を有するダンスセラピストは、患者の自然な動きを観察し、個別のニーズに合わせたプログラムを作成します。個人セッションやグループセッションがあり、米国ダンスセラピー協会(ADTA)は介護施設、デイケア、病院、教育機関などでクラスを提供しています。学習障害、摂食障害、自閉症など幅広い領域で効果が報告されており、組織スキルや身体イメージの改善、認知機能の向上にも寄与します。特にうつ病患者は、動きを通じて抑圧された感情からの解放を経験します。
留意点
米国がん協会は「ダンスセラピーの効果を評価した科学的研究はまだ少ない」と指摘しています。したがって、主治医の監督のもと、総合的な健康・ウェルネスプランの一部として取り入れることが推奨されます。
認知と資格
現在、ダンスセラピーは世界中で実践されており、米国保健福祉省の医療費支給管理局、老年局、国立衛生研究所代替医療局などから正式に認められています。ADTAに所属するセラピストは、修士号取得と最低700時間の臨床指導を受けることが資格要件となっています。
