Coyneの対人関係モデル(うつ病の相互作用理論)
Coyneの対人関係モデルは、うつ病者が自己価値感を回復しようと社会的関係を利用する過程と、周囲からの拒絶が逆効果になるメカニズムを示します。無力感や社会的引きこもり、イライラ、絶望感などの症状は、特に人間関係の断絶といったストレスフルな出来事から生じやすく、専門的な支援が必要です。
初期の社会的受容
うつ病の人に対して、最初に周囲が示すのは関心や支援、受容です。しかしCoyneの理論によれば、この肯定的な反応がかえってうつ症状を強化してしまうことがあります。
他者への疑念
次に、うつ病の本人は「本当に相手は自分を思いやってくれているのか?」と疑い始めます。支援が本心からなのか、あるいは自分がその反応を引き出すために行動したからなのか、自己検証を行います。
自己評価
Coyneは、うつ病者の疑念は根底に自己評価の低さがあると指摘します。支援を受ける価値が自分にあると感じるために、疑念を抱くのです。
社会的敵意と拒絶
このような行動が続くと、周囲からは二つの主な反応が現れます。
- 直接的な拒絶:正直でない言い訳(例:「今晩は犬を洗う」)で距離を置く。
- 罪悪感に基づく偽装的支援:表面的には支援を続けるが、心の中では不快感や恨みが残る。
その結果
いずれの形でも、うつ病者は不安定な行動を続けることになり、自己評価はさらに低下します。偽りの支援でさえ、相手の敵意を感じ取ることで自己価値感が損なわれます。
理論への変数と批判
拒絶の度合いは、性別、容姿、自己評価の低下幅、うつ病の期間、関係性の深さなど多様な要因に左右されます。
多くの研究者は、うつ病者が過度に承認を求めるために社会的拒絶を受けると認めていますが、必ずしも相手側の敵意が原因とは限らないと指摘します。代替的な説明として、うつ病者自身の社会的スキル不足が拒絶を招く可能性も指摘されています。
