NHSが提供するうつ病対策のヒント
英国の国民保健サービス(NHS)は、公共の健康・安全に関する情報提供や医療・治療へのアクセス、福祉サービスの利用促進などを行う主要機関です。
治療法
Office for National Statisticsの調査によると、イギリス人口の約8〜12%がうつ病を経験しています。うつ病は軽度・中等度・重度、急性・慢性と様々な程度があるため、治療法は症状に応じて選択されます。NHSはすべてのうつ病患者に対し、まずは一般診療医(GP)で正確な診断を受けることを推奨しています。
軽度の場合、サポートグループへの参加や家族・友人、精神的指導者との会話、自己啓発本や運動が有効とされます。
中等度の場合、対人関係療法(IPT)や認知行動療法(CBT)が推奨されます。IPTは人間関係と対処スキルに焦点を当て、CBTは否定的な思考の再構築と行動変容を目指します。
薬物療法
中等度・重度のうつ病で、対話療法だけでは効果が不十分な場合、NHSは薬物療法を勧めます。診断後、GPは精神科医に紹介し、適切な抗うつ薬を処方します。
抗うつ薬は脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、気分や幸福感を改善します。主な薬剤には、レキサプロ(エスシタロプラム)、プロザック(フルオキセチン)、エフェクサー(ベンラファキシン)、セレクサ(セルトラリン)などがあります。副作用については、服用開始初期に強く出ることがあるため、医師と十分に相談してください。
その他の治療法
以下の治療法もNHSが推奨しています。
- 電気けいれん療法(ECT):筋弛緩剤と麻酔下で軽度の電流を脳に与え、重度・慢性うつ病に効果があります。
- セントジョンズワート:軽度のうつ病に用いられるハーブサプリ。妊娠・授乳中は使用しないでください。
- リチウム:従来の抗うつ薬で効果が得られない重度うつ病に使用。ナトリウム摂取の管理や血中濃度の定期的なチェックが必要です。
