ベックのうつ病モデルの概要

負のスキーマ(認知構造)

ベックは、うつ状態にある人は幼少期の否定的な経験から形成された「スキーマ」(信念体系)を持ち、これが自己・他者・未来に対する否定的な見方をもたらすと提唱しました。

負の自動思考(NAT)

否定的なスキーマは、意識的なコントロールが難しい負の自動思考(Negative Automatic Thoughts, NAT)を引き起こします。うつ病患者はこれらの思考を事実として受け入れ、さらなるNATが連鎖的に生じます。

ネガティブ・トライアド

ベックは、否定的スキーマを「自己」「世界」「未来」の三つにまとめ、これを「ネガティブ・トライアド」と呼びました。特に「世界」については、環境の要求に対処できないという認知が含まれます。

認知バイアスの種類

うつ病患者は以下のような認知バイアスを示すことが多いです。

  • 恣意的推論(arbitrary inference)
  • 選択的抽象化(selective abstraction)
  • 過度の一般化(overgeneralization)
  • 拡大・縮小(magnification or minimization)

ベック抑うつ自己評価尺度(BDI)

ベックは自身のモデルを基に、21項目からなる自己報告式の「ベック抑うつ自己評価尺度(Beck Depression Inventory, BDI)」を開発しました。現在は13歳以上を対象とした改訂版が広く使用されています。

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