臨床的うつ病のサインと診断・治療ガイド
定義
臨床的うつ病は、専門的な治療が必要なほどの持続的な低気分を伴う精神障害です。気分の低下が2週間以上続き、日常生活全般にわたって感情・精神・身体に深刻な影響を及ぼすことがあります。
診断できる専門家
うつ病の診断は、精神状態検査(Mental State Examination)を実施できる医療従事者が行います。主な診断者は以下の通りです。
- 一般内科医:患者の既往歴や生活環境を把握し、精神状態検査と身体検査、必要に応じた薬剤処方を行います。
- 臨床ソーシャルワーカー:臨床的なソーシャルワークの資格を持ち、精神・感情・行動障害の予防・診断・治療に従事します。
- 臨床心理士:病院・クリニック・学校などで心理的支援を提供し、心理検査やカウンセリングを実施します。
- 精神科医:医学的知識と精神医学の専門訓練を受け、診断テストや脳画像検査、薬物療法を行います。
検査の流れ
診断時にまず確認されるのは、以下の2点です。
- 最低でも2週間、ほぼ毎日気分が著しく変化しているか。
- 趣味や人間関係、仕事・学業など、以前楽しんでいた活動への関心が失われているか。
上記が認められれば、本人や家族・友人への聞き取りが行われます。また、身体的疾患(例:甲状腺機能障害)と症状が類似する場合があるため、必要に応じて身体検査や血液検査が実施されます。
主な症状
診断時に問診や観察で確認される症状は大きく3つに分かれます。
- 身体的症状:食欲・体重の増減、精神運動性興奮または遅滞、不眠・過眠、エネルギー低下、性欲減退など。
- 感情的症状:絶望感・無価値感・過度な自己非難・不適切な罪悪感。
- 認知・精神症状:集中力・思考の低下、死や自殺に関する執着、実際の自殺未遂や自殺念慮。
治療法
うつ病と診断された場合、個々の症状やうつ病のタイプ(大うつ病性障害・ジストミア・双極性障害)に応じた治療が選択されます。一般的な治療の流れは次のとおりです。
- 生活習慣の改善:適度な運動や規則正しい睡眠。
- 心理療法・カウンセリング:認知行動療法や対人関係療法など。
- 薬物療法:大うつ病性障害やジストミアの場合は抗うつ薬。双極性障害の場合は気分安定薬が中心。
- 若年者(24歳未満)は薬物への反応が弱いことが多く、まずは運動・心理療法が推奨されます。
- 重症例や薬剤が効果を示さない場合は、電気けいれん療法(ECT)などの特殊治療が検討されます。
