迂回性大腸炎の治療
迂回大腸炎(ディバージョン・コリティス)は、イレオストミーやコロストミーによって腸管が人工的に分流された患者に見られる炎症性疾患です。手術後1年以内に発症することが多く、過敏性腸症候群と症状が似るものの、原因や治療は異なります。
消化管の構造
消化管は口から始まり、食道を通って胃へと進みます。胃で大部分の消化が行われた後、残った固形物(便)は小腸へ、続いて大腸へと移動し、最終的に直腸・肛門から体外へ排出されます。
イレオストミーとコロストミー
イレオストミーは小腸の末端を腹壁の外側に開口し、コロストミーは大腸の一部を同様に開口します。どちらも大腸の一部または全体を迂回させる目的で行われ、癌治療や憩室炎などの消化器疾患の治療に用いられます。手術後も、迂回部位以下に大腸が残っていることが一般的です。
症状
大腸の一部が残っている患者の約3分の1が迂回大腸炎を発症すると報告されています。主な症状は直腸からの粘液・血液の分泌、腹痛などです。多くの場合、症状は軽度で特別な治療を要しません。
原因
イレオストミーやコロストミーが前提条件ですが、根本的な原因は短鎖脂肪酸(SCFA)の欠乏と考えられています。食物繊維の発酵で産生されるSCFA が大腸に届かないため、炎症が起こります。
治療法
第一選択は大腸への糞便通過を回復させることです。再吻合(リエナストモーシス)により糞便が再び大腸を通過すれば、SCFA の吸収が再開し炎症が改善します。手術が難しい場合は、短鎖脂肪酸を含む溶液を灌流して直接大腸に投与する方法もあります。
