冠動脈疾患の管理ガイドライン
冠動脈疾患は、心臓へ血液を供給する動脈がプラークで詰まることで起こり、最も一般的な心疾患です。血流不足により心筋が弱まり、不整脈や心不全、最悪の場合は心筋梗塞につながります。本ガイドラインでは、生活習慣の改善、薬物療法、外科的処置の3つの柱から治療方針を示しています。
生活習慣の改善
- 食事は赤身肉や高脂肪乳製品を控え、全粒穀物・果物・野菜・青魚・脂肪の少ない肉を中心にした心臓に優しいメニューを心がけます。
- 血圧は120/80 mmHg以下、LDLコレステロールは100 mg/dL未満を目指します。
- 喫煙は絶対にやめ、受動喫煙もできるだけ避けます。
- ストレス管理は重要です。過度な飲食や喫煙ではなく、適度な運動やリラクゼーション法でストレスを軽減しましょう。
薬物療法で生活習慣をサポート
- 生活習慣改善だけでリスクが低減しない場合や、血圧・コレステロールが依然として高い場合に薬物治療を開始します。
- 抗血小板薬(例:アスピリン)や抗凝固薬で血栓形成を防止。
- スタチン系薬剤でコレステロールを低下。
- ニトログリセリンで血管拡張、ACE阻害薬で心筋保護、βブロッカーで心拍数と血圧をコントロール。
- オメガ‑3脂肪酸を豊富に含む魚油サプリメントは、トリグリセリド低下や炎症抑制に有用です。
外科的手術
- 薬物や生活習慣の変更だけでは症状が改善しない重症例に対し、以下の手術が推奨されます。
- 経皮的冠動脈形成術(PCI):カテーテルで狭窄部にバルーンを膨らませて血流を回復し、必要に応じてステント(小さな金属メッシュ)を留置します。
- 冠動脈バイパス術(CABG):他部位の血管(大伏在静脈や内胸動脈)を用いて閉塞部を迂回し、血流を再構築します。
- 手術後は、医師・看護師・栄養士・理学療法士・メンタルヘルスカウンセラーからなる多職種チームによるリハビリテーションと教育プログラムが必須です。
