胃酸は何でできているのか?
成分
胃の消化液は、主に塩酸(HCl)で構成されています。胃壁の壁細胞から分泌され、pHは1〜2程度で、レモン汁や酢よりも強い酸です。さらに、タンパク質分解酵素であるペプシン、胃酸分泌を調節するガストリンやソマトスタチンなどのペプチドも含まれます。
解剖学的な防御機構
胃酸の強い酸性から粘膜を守るために、胃は粘液層と重炭酸イオンの分泌で防御します。粘液は約95%が水、5%が糖タンパク質で、食物の潤滑と酸の緩衝作用を担います。
主な疾患
防御機構が破綻すると、胃酸が食道や胃・十二指腸の粘膜を傷つけ、以下のような疾患を引き起こします。
- 逆流性食道炎(GERD):胃酸や胆汁が食道に逆流し、胸や喉に焼けるような痛みを生じます。
- 消化性潰瘍:胃や十二指腸の粘膜が欠損し、酸が直接粘膜に触れることで潰瘍が形成されます。膵臓や十二指腸にできるガストリノーマは胃酸分泌を過剰にし、潰瘍を悪化させます。
治療法
胃酸が原因の症状には、酸を中和する薬や分泌抑制薬が有効です。
- 制酸剤(重炭酸ナトリウム=ベーキングソーダなど)は胃酸を中和します。
- プロトンポンプ阻害薬(例:オメプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール)は胃酸の分泌を強力に抑えます。
注意点
軽度の胸やけや潰瘍は自然に改善することもありますが、放置すると食道出血、炎症、肺感染、胃壁穿孔や大量出血など重篤な合併症を招く恐れがあります。激しい腹痛や血便・嘔吐がある場合は速やかに医療機関を受診してください。
