味覚感受性に影響を与える要因
口の中には味蕾があり、苦味・塩味・酸味・甘味を識別します。出生時には約1万個の味蕾がありますが、加齢とともに徐々に減少し、高齢になると5千個程度になることもあります。味蕾の細胞は信号を脳に送って味を認識させますが、味覚はさまざまな要因で変化します。
薬剤の影響
特定の薬は味覚に影響を与えることがあります。たとえば化学療法中は口腔内の細胞が損傷したり、薬剤が唾液に混ざることで甘味が感じにくくなり、酸味や苦味が強く感じられることがあります。肉などの高たんぱく食品が金属的な味に変わることも報告されています。通常、治療終了後数か月で味覚は回復します。その他、抗うつ薬、β遮断薬、降圧薬、ACE阻害薬なども味覚変化を引き起こすことがあります。
加齢による変化
味蕾の数が減少するため、高齢者は食べ物の味が薄く感じられ、食欲が低下しやすくなります。食欲低下は体重減少やうつ、健康問題につながります。また、嗅覚は味覚に大きく関与し、食べ物の風味の約80%を占めます。
温度の影響
食べ物や飲み物の温度も味覚感受性に影響します。冷たい飲食は味蕾の感度を低下させ、たとえばジュースで作ったアイスキャンディは甘さが感じにくくなります。嫌いな食べ物を食べる前に氷をなめると、味覚が鈍くなり不快感が和らぎます。
健康状態の影響
風邪や副鼻腔炎、アレルギーなど鼻腔の問題で嗅覚が低下すると、味覚も失われます。アルツハイマー病やパーキンソン病、Multiple Sclerosis(多発性硬化症)など中枢神経系の疾患も味覚に影響します。さらに、虫歯、歯周病、喫煙も味覚を変化させます。
放射線治療の影響
放射線治療は唾液腺を傷つけて口腔内が乾燥しやすくなります。唾液は食べ物と混ざり味蕾を刺激するため、唾液が減少すると味覚が鈍くなります。
