炭酸鉄(シデライト)の利用と特徴
外観
炭酸鉄は形状や色が多様で、繊維状の不透明なロゼンジ状から、透明な薄片が集まったものまであります。砂糖のような金褐色の塊や、灰色がかった金色のサンゴ状結晶も見られます。色は灰色、黄、茶色、黄褐色、赤褐色、緑がかった褐色などです。
鉄鉱石としての利用
炭酸鉄は米国、南米、ヨーロッパなど広範に分布し、鉄分含有量は約48%です。イギリスでは有用な鉄鉱石資源とされていますが、米国では採掘は行われても鉱石としての利用は一般的ではありません。
医療用途
別名「フェロウスカーボネート」として、鉄欠乏性貧血の治療に用いられました。19世紀には、現在は抗痙攣薬や筋弛緩剤で治療される神経系疾患に対して有効と考えられ、治療に使用されました。また、加熱すると磁性を示すことから、磁気が治癒効果を持つとする研究も行われました。
神経痛(三叉神経痛)への使用例
過去、三叉神経痛(顔面の片側に刺すような痛み)やセントビタス舞踏症(舞踏病)に対し、大量の炭酸鉄を投与する治療が試みられました。治療は数か月かかり、自然回復と同時期に行われたため、効果は一概に評価できません。
鉱物標本として
収集用鉱物としては「シデライト」と呼ばれ、色や結晶形態が豊富です。鈍い白色の不透明塊から、美しい結晶体までさまざまです。切り出した宝石や、自然の塊・集合体として販売されています。
