高齢者における体臭の医学的原因

はじめに

薬や特定の食品は年齢に関係なく体臭の原因になりますが、加齢に伴う身体の変化により高齢者の体臭は特に目立ちやすくなります。脂肪酸の分解が増加し、パルミトレイン酸や脂質過酸化物が皮膚の常在菌と結合することで、独特の臭いが生じます。

胃の問題

加齢に伴い胃酸(塩酸)の分泌が減少し、低胃酸症(hypochlorhydria)となります。10年ごとに約13%の胃酸が失われるとされ、食べ物が胃内に残りやすくなり、細菌の増殖や発酵・分解が進みます。その結果、口臭、胃食道逆流症(GERD)、過剰なガス、カンジダ症、過敏性腸症候群(IBS)などが起こり、体臭が強くなることがあります。

胆石

60歳以上の人は生活習慣に関係なく胆石ができやすく、女性は男性の約2倍のリスクがあります。コレステロール低下薬を服用している人や糖尿病患者も高リスクです。胆石は胆汁やコレステロールが過剰に肝臓に蓄積することで形成され、胆汁の排泄がうまくいかないと、腐った卵のような臭いが体から発せられます。胆嚢炎(cholecystitis)になると口内に不快な味が残り、口臭や体臭が増加し、淡い色の悪臭を伴う便が出ることがあります。

腎機能の低下

腎不全は体内の毒素が尿として排泄されずに蓄積する状態です。加齢により腎機能が低下しやすく、腎機能障害や「尿毒症(uremia)」になると、呼吸や尿がアンモニア様の臭いを放ち、皮膚からも同様の臭いが感じられます。

酵素産生の低下

加齢に伴い食物を代謝する酵素の産生が減少し、未分解の有機化合物が汗腺を通じて皮膚から放出されます。特にタマネギ、ニンニク、カレーなどの成分は皮膚に浸透し、魚臭、ガス臭、ゴミ臭、焦げゴム臭、腐卵臭、糞臭などの不快な体臭を引き起こします。

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