アキレス腱炎とその治療法
アキレス腱は、下腿の後面に位置し、ふくらはぎの筋肉と足のかかと骨をつなぐ組織です。ジャンプや走行、歩行、つま先立ちに不可欠で、かかとを上げる動作を可能にします。腱が炎症を起こすと、アキレス腱炎(アキレス腱腱炎)と呼ばれる状態になります。
症状
歩行時に腱の部位に軽い鈍痛や痛みを感じることがあります。
安静や睡眠後に腱がこわばりやすく、活動を始めると徐々に軽減します。
腱が腫れ、組織が損傷した部分にしこりが触れます。痛みが急激に強くなり、歩行が困難になる場合は、腱が断裂している可能性があり、速やかな医療処置が必要です。
原因
適切なトレーニングや柔軟性が不足した状態で急激に負荷をかけると、腱に過度のストレスがかかり炎症を起こします。例として、スポーツ選手が筋力や柔軟性が足りないまま新しい種目に挑む場合や、運動初心者が過剰にトレーニングを行う場合が挙げられます。
腱付近の外傷や感染も炎症の原因となります。
偏平足など足底アーチが低い人が、サポート力の低い靴を履くと、かかとや腱に余計な負荷がかかりやすくなります。
医療機関での治療
足に装着するインソールやヒールリフトで腱への負荷を軽減します。ヒールカップやパッドでかかとをクッションし、就寝時に足を伸ばした状態に保つためのスプリントも使用されます。
重症例では、キャストや松葉杖、特別なブーツで足を固定し、腱とかかとの負荷を減らして治癒を促します。
理学療法では、筋力強化・ストレッチ、マッサージ、運動時の正しい足の使い方指導が行われます。数週間で炎症が改善しない場合は、炎症組織を除去する手術が検討されます。
セルフケア
炎症を悪化させる活動は避け、代わりに自転車など負荷の少ない有酸素運動を行うと、腱の硬直を防げます。
患部に20分程度の氷嚢やアイスパックを1日数回当てると、痛みと腫れが軽減します。
弾性包帯やサポーターで軽く圧迫し、就寝時は足首を心臓より高い位置に上げて血流を助けます。
市販薬
アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェンなどの鎮痛剤で痛みを緩和できます。ただし、イブプロフェンやアスピリンといったNSAIDは、10日以上の長期使用や高用量での服用は胃潰瘍などの副作用リスクがあるため注意が必要です。
