PMDD(月経前不快気分障害)の治療法

診断

PMDD(月経前不快気分障害)は、血液検査でエストロゲンやプロゲステロンの濃度を測っても確定診断はできません。主に以下の症状が重度で月経周期に伴い現れ、日常生活に支障をきたす場合に診断が考えられます。

  • 重度の抑うつ感・絶望感、情緒不安定
  • 不安や緊張感、急激なムード変動
  • 持続的なイライラや怒り
  • 集中力低下、疲労感、エネルギー欠乏
  • 食欲変化(過食や食欲不振)や体重増加、膨満感、頭痛、筋肉痛などの身体症状

薬物療法

米FDAが承認しているPMDD専用薬は以下の4種類です。

  • Sarafem(フルオキセチン)…うつやパニック障害にも使用。MAO阻害薬との併用は禁忌。
  • Paxil CR(パロキセチン)…血清素の調整によりうつやパニック障害を改善。18歳以上が対象で、若年者の自殺念慮増加リスクあり。
  • Zoloft(セルトラリン)…うつ、強迫性障害、PTSDに有効。NSAIDやアスピリン併用で出血リスク上昇、アルコールは避ける。
  • Yaz(エチニルエストラジオール+ドロスピレノン)…経口避妊薬だが、ホルモンバランスの調整によりPMDD症状を軽減。

副作用

各薬剤には以下のような副作用があります。使用前に医師と十分に相談してください。

  • Sarafem:性欲低下、勃起障害、インフルエンザ様症状、頭痛、発疹、震えなど。
  • Paxil CR:妊娠中の使用は胎児に呼吸困難、けいれん、体温変化、低血糖などのリスク。下痢、吐き気、めまい、不眠、視覚異常、便秘など。
  • Zoloft:中止時にセロトニン症候群(高熱、発汗、筋肉硬直、意識障害など)や出血傾向。
  • Yaz:カリウム濃度上昇により腎臓・肝臓・副腎疾患のある女性は禁忌。上気道感染、乳房痛、膣カンジダ症、頭痛、体重増加、骨盤痛など。

その他の薬剤

抗うつ薬や避妊薬以外にも、自然プロゲステロン製剤が処方されることがあります。代表的なものはプロメトリウムです。FDAはPMDD治療薬として承認していませんが、閉経前後のホルモン補充として使用されます。副作用はめまい、乳房痛、腹痛、胸痛、下痢など。妊娠中や出血異常、肝疾患、血栓症、乳癌既往の女性は使用不可です。

心理療法

薬物療法と併用して効果が期待できる心理的アプローチです。

  • 認知行動療法(CBT)…約12回のセッションで、否定的な思考パターンを認識し、対処スキルを習得。
  • リラクゼーション療法…瞑想やアロマテラピーなどを用いて心身の緊張を緩和。

栄養・生活習慣

自然療法として、運動と食事の見直しが有効です。

  • 有酸素運動(ウォーキング、スイミング、サイクリング)を週3〜5回実施。
  • アルコール、カフェイン、砂糖、塩分、タバコの摂取を控える。
  • 炭水化物、たんぱく質、全粒穀物、果物・野菜をバランス良く摂取。
  • ビタミンB6、ビタミンE、カルシウム、マグネシウムを含むマルチビタミンを適量摂取。特にマグネシウムはむくみ軽減に効果的。

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