甲状腺の役割と体への影響
甲状腺の役割
甲状腺は首の前部に位置し、気管を取り囲む蝶のような形をした内分泌腺です。食事から取り込んだヨウ素を利用して、トリヨードチロニン(T3)とサイロキシン(T4)という二つのホルモンを合成します。これらのホルモンはたんぱく質、脂質、炭水化物の代謝を調節し、体温の維持や骨の成長にも関与します。
体重の増減
甲状腺ホルモンは代謝率をコントロールするため、甲状腺機能が低下すると(甲状腺機能低下症)代謝が低下し、運動や食事制限をしても体重が増えやすくなります。逆に甲状腺機能が過剰になると(甲状腺機能亢進症)代謝が亢進し、十分なカロリーを摂取しても体重が増えにくくなります。
気分と機能障害
甲状腺機能の乱れは精神状態にも影響します。機能低下の人はうつ症状や無気力感を抱きやすく、診断が遅れることがあります。一方、機能亢進の人は不安感やイライラ、心拍数の増加、発汗が頻繁に現れます。どちらの状態でも性機能障害(性欲低下やオーガズム障害)が起こり得ます。
髪と皮膚の変化
甲状腺ホルモンは毛髪の成長や皮膚の状態を調節します。機能低下では髪が細くなり、抜け毛や切れ毛が増えるほか、皮膚が乾燥してざらつき、寒さに敏感になります。機能亢進では逆に熱に敏感になり、汗をかきやすくなります。
疲労感
エネルギー代謝に関与する甲状腺ホルモンが不足すると、極度の倦怠感や睡眠欲求が強くなります。逆に過剰な場合は興奮状態が続き、心拍数が上がり、睡眠が取りにくくなることがあります。
