植物エストロゲンの利点と注意点

植物エストロゲン(フィトエストロゲン)は、野菜や果物に含まれる天然化合物で、ヒトのエストロゲンと構造が非常に似ています。加齢に伴い体内のエストロゲン産生は減少しますが、エストロゲンは骨形成や生殖機能などに不可欠です。1998年に『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』で報告された研究など、植物エストロゲンを多く含む食事が慢性疾患の予防に役立つ可能性が示されています。

がん予防

同誌の報告によると、特に大豆製品を中心としたフィトエストロゲン豊富な食事は、乳がん・子宮がん・前立腺がんなどホルモン依存性がんのリスク低減に寄与する可能性があります。テキサス大学の研究者は、肺がんなど他のがんに対する効果も調査中です。

心血管の健康

大豆、全粒小麦、亜麻仁、リンゴ、にんじんなどフィトエストロゲンを含む食品を多く摂取すると、心臓や血管系に好影響を与えるエビデンスがあります。脂肪・炭水化物が少なく植物性食品中心の食生活を送る国々では、心疾患や動脈硬化の発症率が低いことが報告されています。また、血中コレステロールの調整にも寄与すると考えられています。

骨の健康

フィトエストロゲンが豊富で脂質・炭水化物が少ない食事をとる地域では、骨粗鬆症の発症率が低く、骨密度の減少が遅れる傾向があります。

更年期

ニューヨーク市のHospital for Special Surgery と『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』の報告によれば、植物エストロゲンを多く含む食事は、ホットフラッシュや情緒不安定といった更年期症状の緩和に効果が期待できます。現在、サプリメントによる症状緩和の可能性も研究が進められています。

注意点

同病院の医師は、更年期前にフィトエストロゲンを過剰に摂取すると健康リスクがあると警告しています。また、サプリメント形態で大量に摂取すると不妊や生殖機能障害を引き起こす可能性があるとの指摘もあります。適切な摂取量を守り、食事から自然に取り入れることが推奨されます。

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