ローズヒップの健康効果と活用法
バラの花が散ると、緑色の種子ポッドが現れます。これをヒップ(ハウス)と呼び、熟すと鮮やかな赤色になります。レモンの約60倍ものビタミンCを含み、風邪やインフルエンザ、各種感染症の予防に有効です。
体組織の強化や血管系の維持、毛細血管の損傷防止に寄与するとされ、日常的に摂取すれば感染性疾患の予防につながります。研究では、心臓病、関節炎、脳卒中、がんの治療にも効果が示唆されています。
歴史
Rosa canina(野生バラ)は、北半球と南半球の温帯地域に自生する草本性の低木です。古代ペルシアで最初に栽培されたと考えられ、現在では花だけでなく、医薬品、香料、石鹸、食品、化粧品など多方面で利用されています。
西暦1世紀にプルニウスが32種の疾患に対する効果を記録し、約470年頃の中国医学書にも初めて言及されています。現在でも慢性下痢や胃弱の治療に用いられています。北米先住民は筋肉痙攣の緩和に使用し、フラボノイドを含む抗酸化物質として老化やストレスから体を守ります。
ビタミンCの役割
第二次世界大戦中、イギリスではローズヒップを原料としたシロップが大量に製造され、必須ビタミンCの供給源となりました。ビタミンCは体内で合成できないため、感染症や風邪、インフルエンザ、肺炎の予防・治療に欠かせません。
ビタミンC不足は壊血病を引き起こす危険があります。日本の研究では、ビタミンC濃度が高い人は脳卒中リスクが29%低下することが示されています。また、85,000人以上の女性を16年間追跡したナースヘルススタディでは、ビタミンC摂取量が多いほど心血管保護効果が期待できると報告されています。
ローズヒップティーの効果
- サプリや加工品ではヒップの含有量が不明瞭です。自家製のティーなら、含有量を確実にコントロールできます。
- 赤く熟したヒップを収穫し、種子を含めたまま煮出します。濾してから飲むと、1日3〜4杯を2週間続けることで、季節性インフルエンザの予防に役立ちます。
- ヒップ種子5〜6杯(大さじ)を1クォート(約950ml)の水で30分間煮込み、濾した液を1日2杯飲むと、軽い利尿作用とリウマチ痛の緩和が期待できます。
- 抽出したティーは24時間以内に飲むと効果が持続します。
ローズヒップの活用例
- 2007年のBBSニュース報道によると、デンマークとドイツで実施された6か月間の試験で、ローズヒップ配合サプリLitoZinが関節リウマチ患者の活動性を高め、関節痛を軽減したとされています。
- ローズヒップに含まれる強力な抗酸化成分は免疫力を高め、風邪やインフルエンザに対抗します。
- ペクチンが豊富で、血中コレステロール低下や心血管健康の改善、満腹感の促進、食欲抑制に寄与します。
- ローズヒップオイルは天然のトランスレチノイン酸を含み、シワ、シミ、色素沈着、傷跡、日焼けによる皮膚ダメージのケアに利用されています。
コストと注意点
カリフォルニア大学バークレー校は、「ローズヒップ入り」と表示されたビタミンC錠剤は、実際にはヒップがほとんど含まれていない場合があると警告しています。サプリメントの成分は規制が緩く、実際の有効成分量は不明です。
ローズヒップはビタミンCの濃縮天然源ですが、推奨摂取量は1日250〜500mgです。500mg相当のヒップは大きなカプセルサイズになるため、合成ビタミンC錠剤と比べてコストが高くなる点に注意が必要です。
