魚油の歴史と進化
初期の利用
タラの肝油は、イギリス諸島、北欧、ニューファンドランドの人々に何世紀にもわたり利用されてきました。漁獲の副産物として灯油や皮革のコンディショナー、家畜の飼料に使われ、薬としては関節痛に塗布したり、風邪予防に内服されたりしました。
18世紀〜19世紀
1700年代、ドイツの研究者はリウマチ性関節炎の治療にタラ肝油を用い、効果を確認しました。また、ビタミンDが豊富なためくる病の予防にも有効でした。当時は粘度が高く臭いが強く飲みづらいものだったが、蒸留加工の導入で味と臭いが改善され、より広く受け入れられるようになりました。
普及期
1930年代になると、医師たちが栄養と医療効果を認め、需要が急増。漁業会社は魚の漁獲から肝油の製造へと事業転換し、第二次世界大戦中は乳幼児の栄養補給に広く配布されました。
魚油への転換
1980年代の加工技術の進歩により、肝油から魚の脂肪組織の油へと抽出対象が変わりました。これによりビタミンA過剰症のリスクが低減しましたが、当時はPCBやDDTといった環境汚染物質が除去されていませんでした。
現代
近年の高度な精製技術により、オメガ‑3 長鎖脂肪酸の含有量が高まり、飽和脂肪酸やPCB・DDTなどの有害物質がほぼ除去された医薬品クラスの超精製魚油が市場に出回っています。現在の製品は臭みや苦味がほとんどなく、サプリメントとして広く利用されています。
