ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)とは?
ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は、植物や酵母に含まれる脂溶性ステロールで、ビタミンDの一形態です。ビタミンDは骨の正常な成長やカルシウムの吸収に不可欠で、主にD2とD3の2種類が人間にとって重要です。
歴史
- 1920年代に、真菌や植物を紫外線にさらすことでビタミンD2が初めて発見されました。この方法は製薬会社が特許取得し、商業的に利用されました。脊椎動物(哺乳類など)ではビタミンD2は自然に生成されず、紫外線吸収効率はビタミンD3よりも高いとされています。
機能
- ビタミンD2は乳製品や魚、卵に微量含まれ、キノコは紫外線処理によりD2を生成します。また、パンやシリアルなどの強化食品にも添加されます。体内での主な役割はカルシウムの吸収促進で、健康な骨・歯の維持や血圧調整に寄与します。さらに、骨粗鬆症や自己免疫疾患の予防・改善効果が期待されています。
1日の摂取目安
- ビタミンDの推奨摂取量は1日あたり5µg(約200IU)です。多くのマルチビタミンはこの量を含んでいます。牛乳1杯(約200ml)で約2.5µg、タラ肝油大さじ1杯で約1,400IU(約35µg)と、食品により含有量は大きく異なります。ビタミンD2はマルチビタミンの製造に最も多く利用されています。
医薬品としての利用
- 1920年代に合成ビタミンD2「ビオステロール」が開発され、くる病(ビタミンD欠乏による骨軟化症)の治療に用いられました。くる病は20世紀初頭に頻発しましたが、近年は日照不足や乳製品摂取不足だけでなく、肝腎機能障害やカルシウム代謝異常によっても発症します。
誤解と最新の研究
- 近年の研究では、ビタミンD2はビタミンD3に比べて生体利用効率が低く、マルチビタミンへの添加は見直すべきとの指摘があります。製造過程での安定性が低く、時間とともに活性が低下しやすいため、過剰摂取や効果減少のリスクが懸念されています。
