血液中に含まれるカロリーの計算方法

はじめに

献血が体重減少につながるのか、よく聞かれます。米国で標準的な献血は1ポンド(約0.45 kg)以上の血液を採取しますが、1ポンドの体重減少は約3,500 kcalに相当します。では、献血で3,500 kcal以上のエネルギーが失われるので、カロリーの高い食事を自由に摂っても大丈夫なのでしょうか。あるいは、献血がダイエットの手段になるのでしょうか。答えは『いいえ』です。本稿では、血液に含まれるエネルギー量を計算し、なぜ献血が減量に直結しないのかを解説します。

必要なもの

  • 電卓(電子計算機)
  • ペンまたは鉛筆

手順

  1. ステップ 1:血液の液体成分と細胞成分を把握する

    血液検査では「ヘマトクリット」という数値が出ます。これは血液中の細胞(赤血球・白血球・血小板)の割合を示し、遠心分離機で血液を回すことで測定します。ヘマトクリットで示されない残りの部分が血漿です。一般的に男性は女性より赤血球が多く、血漿の割合は男性が約55%、女性が約60%とされています。自分の検査結果があればそれを使用してください。

  2. ステップ 2:血漿中のタンパク質からカロリーを算出する

    標準的な献血量は500 mlです。血液は水より6%重いので、500 ml × 1.06 ≈ 530 g とします。これに血漿の割合(例:55%)を掛け、100で割って血漿の質量を求めます(例:530 g × 55 ÷ 100 ≈ 291.5 g)。血漿は平均で7%がタンパク質(残りはほぼ水)ですので、291.5 g × 0.07 ≈ 20.4 g がタンパク質量です。タンパク質は1 gあたり4 kcalなので、20.4 g × 4 ≈ 82 kcal が血漿タンパク質由来のエネルギーです。

  3. ステップ 3:血漿中の糖質と脂質からカロリーを算出する

    糖質は空腹時血糖値が約0.09 g/100 ml(90 mg/dl)と仮定します。血漿量(例:291.5 g)を100 ml単位に換算し、男性は2.75倍、女性は3.00倍の係数で乗算し、最後に4 kcal/g を掛けます。脂質は0.5 g/100 ml とし、同様に血漿量に掛けた後、9 kcal/g を掛けます。これにより糖質と脂質から得られるカロリーが求められます。

  4. ステップ 4:赤血球からのカロリーを算出する

    赤血球は主に水とタンパク質(ヘモグロビン)で構成され、脂質や炭水化物はほとんどありません。ヘモグロビンは1 gあたり4 kcal ではなく、ヘム部分はエネルギー源になりません。男性の平均ヘモグロビン濃度は160 g/L、女性は140 g/L とし、献血量500 ml の半分(0.5 L)に掛けます。さらにヘム部分の非カロリー分(約4 %)を除くため0.96で補正し、4 kcal/g を掛けます。加えて、赤血球の乾燥重量の90%がヘモグロビンであることから、残り10%の重量を6 kcal/g(タンパク質・炭水化物は4 kcal/g、脂質は9 kcal/g の平均)で換算し、合計します。

  5. ステップ 5:白血球と血小板からのカロリーを概算する

    献血500 ml のうち白血球と血小板は約1%です。乾燥重量は約5 g と仮定し、1/3 を乾燥重量に掛け、さらに6 kcal/g で換算すると、約10 kcal が得られます。

  6. ステップ 6:全体のカロリーを合計する

    血漿タンパク質・糖質・脂質、赤血球、白血球・血小板のカロリーをすべて足し合わせると、女性で約425 kcal、男性で約460 kcal となります。貧血やエリスロポエチン(EPO)使用などで血球数が変われば、この値は上下します。

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