シラミと卵(ニット)への対策
物理的除去
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、シラミの一次治療として、細かい歯のコームによる除去が推奨されています。コームは毎日使用し、卵やシラミが見つからなくなるまで繰り返します。猫や犬用のノミコームも代用可能です。シラミが孵化するまでに6〜8日かかるため、治療後2〜3週間は定期的にチェックし続けることが重要です。2歳未満の子どもには、薬剤を使用しないこの方法が最適です。
市販薬(処方箋なし)
処方箋なしで入手できるシラミ駆除剤には、ピレスロイド系(ピレトリン)や合成ピレトリンであるパーメトリンが含まれます。これらは成虫を殺しますが、卵は死滅させません。米国、イスラエル、英国、チェコなどでピレスロイド耐性が報告されています。治療後8〜12時間以内に活発なシラミが残っている場合は、薬剤が効いていない可能性があります。その際は医師に相談し、より強力な処方薬を処方してもらいましょう。
処方薬
医師が処方できる薬剤としては、以下があります。
- マラチオンローション:有機リン系殺虫剤で、成虫と一部の卵を殺します。6歳以上の子どもと成人に使用可能。
- リンダンシャンプー:有機塩素系殺虫剤ですが、副作用リスクが高く、他の治療が失敗した場合の最終手段として使用されます。
- ベンジルアルコールローション(2009年承認):シラミを窒息させて殺すが、卵は死滅させません。
- スピノサド製剤(FDA審査中):バクテリア由来の殺虫剤です。
オリーブオイル
ジョーン・ソーヤーとロバート・マクフィーは著書『Head Lice to Dead Lice』で、オリーブオイルを大量に塗布し、丁寧にくしで取り除く方法を推奨しています。オイルでシラミを窒息させますが、卵は孵化するまで効果がありません。8時間以上浸透させることを繰り返す必要があります。くしで卵を手で除去することが不可欠です。
エッセンシャルオイル
レモンオイルやラベンダーオイルなどのエッセンシャルオイルは殺虫作用がありますが、ソーヤーらはオリーブオイルより効果が低く、費用がかさむと指摘しています。高濃度・長時間使用はアレルギーや副作用のリスクがあります。使用する場合は、ラベンダーやローズマリーオイルを小さじ1〜2程度オリーブオイルに加える程度にとどめ、子どもへの使用は慎重に行ってください。ペニーロイルやイランイランは毒性があるため使用しないでください。
予防策
シラミ感染の最も効果的な対策は予防です。シラミは主に頭と頭の直接接触で広がります。昼寝やキャンプ、遊びの時間に頭を触れ合わないよう指導しましょう。帽子、スカーフ、ヘアピン、くし・ブラシの共有も感染リスクを高めますので避けます。感染した寝具は熱い石鹸水で洗濯し、高温で乾燥させます。洗濯できないものはビニール袋に入れ2〜3週間保管し、卵が孵化して死ぬのを待ちます。成虫は2日以上餌がないと死ぬため、掃除機で髪の毛が付着した場所も定期的に掃除しましょう。
