尿路感染症は腎臓、膀胱、尿道など尿路系のどこでも起こり得る一般的な感染症です。原因菌は多数ありますが、最も多いのは大腸菌(Escherichia coli)です。大腸菌は多くの動物の小腸に常在する菌で、尿路に侵入すると感染症を引き起こしますが、適切な治療と予防で簡単に対処できます。

E. coliとは

大腸菌は温血動物の下部腸管に常在する多様な菌種の総称です。生後すぐに腸内に定着し、食物の消化を助ける重要な役割を果たします。腸外では短時間しか生存できません。

感染原因

大腸菌は通常、糞便や肛門周辺に存在します。排便後の不適切な拭き取りや性行為後の排尿を怠ると、菌が尿道へ移動し、免疫が抑えきれない場合に増殖して感染を起こします。菌は尿道から膀胱、腎臓へと上行し、尿路感染症を引き起こします。

主な症状

  • 下腹部や腰の痛み(腎盂腎炎の場合)
  • 排尿時の焼けつくような痛みや刺激感
  • 尿が濁る、暗くなる、悪臭がする、血が混じることがある

治療法

医師が診断すると、アモキシシリンなどの抗生物質が処方されます。軽症の場合は、市販の鎮痛薬やクランベリージュースなどの家庭療法も有効です。腎臓まで感染が広がった場合は、入院して点滴抗生物質が必要になることがあります。

予防策

  • 排便後は前から後ろへ拭くことで、糞便から尿道への細菌移動を防止
  • 性行為後は必ず排尿し、尿道に残った菌を洗い流す
  • 日常的に温かい水と弱アルカリ性の石鹸で外陰部を清潔に保つ